スケジュールを中止された李登輝元総統は昨日早朝、狭心症の発作を起こして臥せられ
た。
昨日は、昨年6月30日に国家機密費約780万ドル(約6億3千万円)を流用したとして、最
高法院検察署(最高検)から「台湾総合研究院」創設者の劉泰英氏とともに公有財物横領
の罪で起訴されたことを受け、台北地方裁判所に出向いて事情聴取を受ける予定だった
が、出廷できなかった。中央通信社の記事を下記にご紹介したい。
台湾の報道によれば、李登輝元総統ご夫妻の「奥の細道」探訪にも同行した主治医の陳
雲亮医師が「今日の出廷はダメです」と告げると、李元総統は「どうしてだ、私はなんと
もない!」と答えられ、入院には至らなかったが自宅で療養されていると伝えている。
また、李前総統弁公室の王燕軍・主任によれば、李元総統は「逃げた」と誤解されるの
を憂いており、「準備は整っているので潔白を証明できる。次の機会には出廷できる」と
話されているという。
早々に本復され、またお元気で「台湾一周の旅」に出られることを祈りたい。次は彰化
県を訪問される予定だ。
李登輝元総統、狭心症で出廷できず
【中央通信社:2012年6月22日】
(台北 22日 中央社)情報機関の機密費横領関与に関する審理で、きょう台北地方裁判
所に出向き、事情聴取を受ける予定だった李登輝元総統は狭心症のため、出廷することが
できなくなった。李元総統の側近によると、李氏はこれに対し「非常にがっかりした」と
いう。
李氏は総統在任中、国家安全局の機密費約6億3000万円を横領した罪などで検察当局から
起訴されたが、起訴内容を否認している。
李登輝事務所の王燕軍主任によると、昨夜、尋問に応じるための資料を夜遅くまで読ん
でいた李氏は、今朝5時にまた資料を読もとうとした際、体調はすぐれないと訴えた。
医師が応急処置を施した結果、再発性狭心症と診断され、休養が必要であるほか、短期
間のうち、病床を離れることができないと告げられている。
そのため、李氏は弁護士を通じて裁判所に出向くことができない旨を裁判官に伝えた。
昨年11月に大腸がんの手術を受けて以来、李氏は睡眠不足または疲れがたまると、心臓
の酸素不足で起こる狭心症が発生しやすくなっている。