来─都市の経営理念」と題して講演された。
その講演を前に、記者団に対して尖閣諸島問題の本質について述べたことを中央通信社
が伝えている。
台湾は、政権与党の中国国民党も野党第一党の民進党も尖閣諸島を自国領と主張してい
るが、李登輝元総統をバックボーンに設立した台湾団結聯盟は、尖閣諸島を日本領だとし
ている。
李登輝元総統は「週刊文春」(9月20日号)の「阿川佐和子のこの人に会いたい」(第
939回)で尖閣諸島について触れ「尖閣諸島は昔も今も日本の領土です」と、理由も明らか
にして明言。
その後の南投県への「生命の旅」の折も「日台間に尖閣に関する主権問題は存在しな
い」と明言、「ただ残っているのは漁業権の問題だけ。他人の家のことをあなた方は鑑賞
するのか。美人を見て自分の嫁だというようなものだ。台湾の経済はずっと停滞してい
る。馬政権は尖閣のことを毎日大声で主張しているが、もっと景気回復に力を注ぐべき
だ。国民は尖閣のことなど見向きもしない」と述べるなど、日台間に「存在するのは漁業
問題だけだ」という姿勢で一貫している。
釣魚台問題 李元総統、「問題の本質を見極めよ」
【中央通信社:2012年11月23日】
(台北 23日 中央社)李登輝元総統は22日、釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)をめぐる問
題について、「領土問題か、それとも漁業問題か。国民にとって何が必要なのか。問題の
本質を見極めなければ解決などあり得ない」と考えを述べた。
これは、李元総統が台北市議会で「台北の過去と未来─都市の経営理念」と題した講演
を行う前に、報道陣に語ったもの。李氏は1978年から台北市長を約3年間務めている。
李氏は、釣魚台問題の本質を見極める重要性を訴えるとともに、釣魚台を中華民国(台
湾)のものとするカク龍斌・台北市長の主張に対して「(領有権がどこにあるかは)歴史
と国際法が決める」との認識を示した。
中華民国政府では、釣魚台に対する主権を一貫して主張する一方、同島付近の資源の共
同開発などをめざす「東シナ海平和イニシアチブ」構想を掲げている。また、日本との漁
業協議が2009年2月以来中断しているが、釣魚台沖で台湾の漁民が自由に操業できるよう、
協議の再開に向けた調整を続けている。