(台北 25日 中央社)李登輝元総統を慕う人々の国際交流団体、「日本李登輝友の会」
を中心とし、日本の外交・安全保障の専門家をメンバーとする「日米台の安全保障等に関
する研究会」は24日、東京で「政策提言」を発表、「日台関係基本法」を早急に策定する
よう日本政府に求めることを決議した。台湾紙・自由時報が報じた。
安倍首相は今年1月、「思想・表現・言論の自由といった人類の普遍的価値の十全な実
現」、「力ではなく法とルールによる海洋支配の実現」など「外交5原則」を発表してい
る。この時、台湾に直接の言及はなかったが、今回発表された「政策提言」ではこの5原則
は「台湾不在のままでの実行は不可能」と指摘している。
また、「民主・自由・人権の基本的価値観は日台共通で、台湾の絶対多数の人々は中国
とは独立して別々に存在している現状の維持を望んで」おり、「台湾という自由民主主義
国家の存続はわが国にとっての重要な国益」であり、「我々は武力で台湾の現状を変えよ
うとするいかなる試みにも反対する」と強調した。
その上で、「台湾周辺海域の安定は日本のシーレーンの安全確保のみならず、南シナ海
での中国海軍進出の抑止につながるが、これらは台湾の協力なしには実現できない」と
し、日本の海上航路および南シナ海の要衝にある台湾を「わが国の運命と日米同盟の将来
を左右する」存在と位置づけている。
提言では日本政府に対し、このような台湾の戦略的価値を直視するよう求め、米台関係
を規定するアメリカ国内法の「台湾関係法」(1979年)にならった「日台関係基本法」の
制定によって、「台湾と中国が互いに隷属しない」ことを確認、安倍首相の「外交5原則」
を実現していくべきだと主張した。