党団総召集人をつとめる柯建銘・立法委員が、台湾共和国の建設を掲げているため「台湾
独立綱領」と言われる党綱領を凍結せよと提案した。
これに対して、在日台湾人などで組織する在日台湾同郷会(岡山文章会長)は憂慮の念
を示す声明「民進党は結党の初志を堅持せよ」を発表した。下記に同会ホームページ掲載
の日本文と漢文の声明をご紹介したい。
在日台湾同郷会は、昨年5月末に民進党の蘇貞昌主席が「現在の国号は中華民国であり、
我々はこれを尊重し、民進党もこれを承認している」と発言した際にも「台湾人を代表す
る最大の在野党が、あろうことか、自らを中国の代表と主張する政治実体が台湾を統治す
る合法性を承認した。これは中国の台湾に対する主権を承認することに等しい」として
「民進党がその責務を果たしていないことを譴責する」と題した声明を発表している。
民進党も中華民国の政党である以上、中華民国憲法を尊重するのは致し方ない。しか
し、日本の自民党も、現行憲法を尊重しつつ、党の使命として「現行憲法の自主的改正を
始めとする独立体制の整備」(昭和30年11月15日)を謳っている。安倍総理の悲願も憲法
改正にある。
日本も台湾も、自らの意思で定めた憲法ではない「1946年憲法」問題を抱えている。日
本も台湾も、独立体制の整備のために「押しつけ憲法」を改めることで共通しているのだ。
憲法を尊重することと、改憲を主張することは矛盾しない。それゆえ、民進党の重鎮で
ある柯建銘議員の党綱領凍結提案には違和感を否めず、民進党は結党の初志を堅持せよと
する在日台湾同郷会の声明に、日本人は共感するだろう。
◆在日台湾同郷会
http://taioan.web.fc2.com/
民進党は結党の初志を堅持せよ 在日台湾同郷会声明
26日の民進党の「華山」会議で柯建銘幹事長が党綱領凍結を主張した。我々は民進党が
初志を失い、台湾人が最大の支持政党を失うのではないかと憂慮している。
今月の初めに謝長廷氏は訪日講演で、民進党が「中華民国憲法」を守らねばならないと
主張し、在日台湾人は今後どの政党を支持すべきか分からなくなってしまった。その憲法
の定める領土が中国であって、その制定過程に台湾人が関わっていないことを謝氏も知っ
ているはずだ。彼らはなぜ、あえてこのような理不尽な主張をしなければならなかったの
か?
柯氏の発言に対して中国の国務院台湾弁公室は歓迎を表明した。つまり民進党の主要な
人物が中国政府の顔をうかがって、台湾人の自由を売り渡しているのである。謝氏の主張
は、政権を奪回するためのようであるが、台湾人民の自由は政権を取るために犠牲にされ
るべきものであろうか。
人民には自治の権利がある。この権利は憲法よりも優先される。民進党が2000年の総統
選挙のために定めた「台湾前途決議文」でその憲法に記された「中華民国」という国名を
認めたが、これはすでにある種の堕落である。台湾憲法を制定してこそ台湾の主体性を世
界に示し、さらには世界の国々から独立した国家として認められ、台湾の安全を守ること
ができるのである。「中華民国憲法」は現在、台湾を中国に結びつける唯一の絆である。
この憲法を維持していることは、中国の台湾への処分権を認めることに等しい。
その同じ26日、安倍首相が靖国神社を参拝した。安倍氏の主張は始終一貫している。日
本の価値観を守り、連合国による占領下で制定された憲法を改正して国防を強化すること
である。氏が再任される前に日本社会は氏の主張が中国の利益と衝突することをすでに知
っていたが、日本国民はそれでも氏が再び政権の座に就くことを支持したのである。
いまや、台湾人は馬英九による傾中政策に嫌気が差している。民進党は、憲法改正のハ
ードルが高すぎるという技術的問題はあるにせよ、台湾が1949年に滅びた国の名を騙って
いるという問題を正すことを目標とすべきである。こうしてこそ、リーダーとしての役割
を取り戻せるのだ。「民意が熟してない」ことに責任をなすりつけて、この根本的な問題
を避けつづけていてはならない。
実は、謝氏の講演の前日には柯文哲教授も東京で講演を行った。内容が充実していて、
在日台湾人たちにとって心地よい講演だった。柯教授は自転車で蘇花公路を通過するとき
に得た悟りを紹介した:最も大切なこと・最後の一線は決して譲ってはならない。譲った
ら自分が命を失ってしまう。この言葉は出席したすべての台湾人を感動させた。台湾人が
期待しているのは理想を堅持することができるリーダーなのである。
2013年12月28日
在日台湾同郷会 会長 岡山 文章
呼[竹/龠頁]民進党堅持結党初衷
在日台湾同郷会声明
二十六日在民進党華山会議上柯建銘総召主張凍結党綱。譲我們担心民進党是否失去初
志並致使台湾人失去最大支持政党。
月初謝長廷先生来日演講時主張民進党要守護「中華民国」憲法,譲在日同郷不知今後
要支持何党。謝氏也知道該憲法所定的領土是中国而台湾人不曽参与其制定過程。他們為什
麼硬要做這麼荒唐的主張?
針対柯氏之主張,中国国台弁表示歓迎。就是説民進党重量級人物在看中国政府的臉色
而出売台湾人的自由。謝氏之主張好像是為了重囘政権。但是台湾人民的自由可以為了争取
政権而被犠牲掉[才卓]。
人民有自治権。此権利比憲法還要優先。民進党為了2000年大選訂了「台湾前途決議
文」承認該憲法裡所写的国名「中華民国」。這已経是一種堕落。制定台湾憲法才能向世界
展現台湾主体性,進而譲世界各国承認台湾為一個独立的国家並能[多句]保護台湾的安全。
「中華民国」憲法是目前唯一将台湾繋在中国的[糸邦]帯。台湾維持該憲法等於承認中国対
台湾之処分権。
二十六日同一天安倍首相参拝靖国神社。安倍氏的主張始終一致:遵守日本的価値観,
将那部在聯合国占領下所制定之憲法改正並強化国防。他重任首相之前,日本社会已経知道
他的主張会与中国的利益衝突,日本国民還是支持他再度主政。
現在台湾人看膩了馬英九傾中政策。民進党雖然有改憲門檻過高之技術問題、還是要糾
正台湾冒用一九四九年已経死亡的国家名称的問題為其目標才対。這様才能贏回領導性角
色。不要一直将責任推給民意還没成熟,而避開此基本問題。
其実謝氏演講之前一天柯文哲教授也来東京演講、内容比較精采譲同郷窩心。他介紹他
騎脚踏車経過蘇花公路的心得:最重要的事情、底線絶対不能譲人。譲了就没命了。這句話
感動了在座的所有郷親。台湾人所期待的就是一個能堅持理想的領導者。
2013年12月28日
在日台湾同郷会 会長 邱 文章