に反対の声を上げてきた。馬英九政権は民意に押される形で公聴会を開いたが、そのさなかの2月
11日に南京市で初の台湾と中国閣僚級による公式会談が行われ、その7日後、の2月18日には中国国
民党名誉主席の連戦が北京に赴いて国家主席を兼任する習近平・中国共産党総書記と会談している。
この会談で習近平は連戦に対していつもの「中華民族」をキーワードに「日清戦争(1894〜95
年)の勝利で日本が清朝から台湾割譲を受けたことを、『極めて悲痛な中華民族の歴史だ』と述べ
た」(産経新聞)と伝えられている。つまり、台湾を「盗取」した日本は中華民族の共通の敵では
ないかと同意を求めたわけだ。
そこに秘められた意図とは「日本によって押しつけられた悲痛な歴史を共有する同じ中華民族と
して、早くサービス貿易協定を締結して、中国と台湾が統一する道筋をつけよう」ということだった。
韓国の「東亜日報」が「中国の最高指導者が、台湾との統一案について触れたのは、異例のこ
と」として、連戦との会談で習近平は「台湾との統一案として、『平和的発展→高官の往来→政治
交渉』の3段階を示した」と伝えている。下記に紹介したい。
台湾の学生たちは、サービス貿易協定は中国による実質的な台湾併呑であり、サービス貿易協定
の先に中国との統一があると見抜き、これこそ台湾の危急存亡の危機と感じて立法院を占拠した。
馬英九の任期は2年後の2016年春までだが、その支持率は昨年9月に9.2%(年代新聞調査)とな
り、その政権運営能力が疑われる中で強引に成立させようとしたサービス貿易協定は「太陽花学運
(ひまわり学生運動)」によって成り行きが不透明となり、中国の計画に狂いが生じたと言っていい
だろう。今年中に実現したかった習近平・馬英九会談もまた雲行きが怪しくなった。
習近平、台湾との3段階統一案を提示
【東亜日報:2014年4月24日】
中国の習近平国家主席が最近、台湾との統一案として、「平和的発展→高官の往来→政治交渉」
の3段階を示したと、国営メディア・新華社通信の姉妹紙である光明日報が、23日付けで報じた。
中国版3段階統一論が、今後、両岸交流の過程で、どのような政策的ガイドになるか、注目を集め
ている。
習主席は最近、中国を訪問した台湾国民党の連戦元副主席と会談した席で、このような構想を明
らかにした。 中国の最高指導者が、台湾との統一案について触れたのは、異例のことだ。
第1段階の「平和的発展」とは、双方が「9.2公式」(1992年、双方が一つの中国を前提に相手
を認めることにした合意)を基に、交流協力を通じて、発展を追及していくことだ。 そのために
は、台湾の政権勢力が誰かがカギとなっていると、同紙は指摘した。 台湾の独立を主張する政治
勢力が、政権を握ることになれば、第1段階から支障をきたす可能性が高いためだ。
第2段階は、高官の往来段階。 現在は、観光客はもとより、経済、社会、人文、科学技術など、
さまざまな分野で広範囲な人的交流が行われているが、徐々に政治分野に拡大され、究極は最高指
導者同士の会談が行われる段階だ。
第3段階では、双方の高官政治関係者の交流を通じて、自然に平和統一の議論へと続いていく。