台湾の報道によれば、台湾の国家的研究機関である中央研究院が、副院長である陳建仁博士が蔡
英文・総統候補の副総統候補になるために、中央研究院を辞したと発表した。
陳博士は1951年生まれ。台湾大学動物学科卒業後、医学部の大学院「公共衛生研究所」で修士号
を取得し、台湾大学での教員となる。
米国のジョンズ・ホプキンス大学公共衛生学部流行病および人類遺伝学の大学院で博士号を取
得。
台湾大学では最終的には「公共衛生研究所」や「流行病学研究所」の所長を務めながら、中央研
究院生物医学科学研究所の研究員にも任じられた。
民進党政権下では、行政院衛生署署長や、行政院国家科学委員会主任委員を務め、2011年から中
央研究院の副院長の職にあった。
陳氏は、台湾の重大流行病の調査予防プロジェクトに関わっており、また砒素中毒の研究では国
際的に知られている。台湾がSARSに襲われた際にも衛生署署長として活躍した。国家科学委員会主
任委員在任中はバイオ新薬への投資を行った。
また父親は、高雄県長であった陳新安で、高雄の地方派閥の「白派」の創始者とされる。王金平
氏は、この「白派」の継承者とされる。
また陳氏は熱心なカトリック信者で、「エルサレム聖墳墓騎士団」の「騎士」の称号を持ってい
る。副総統候補を受けるにあたって、李遠哲・元中央研究院院長、カトリックの教区の司教、およ
び、妻・羅鳳蘋氏の意見を聞いたという。
陳氏を副総統候補にしたことは、台湾人の健康・台湾の環境汚染の問題、そしてバイオ産業の発
展に取り組むという姿勢をアピールできるであろう。また、王金平氏の協力も得られるとみられ
る。