金を予定どおり11月30日に締め切った旨をお伝えしました。
12月3日午前、本会の「役員・支部長訪台団」(団長:梅原克彦・常務理事、副団長:辻井正
房・常務理事)の参加者15名は烏来の高砂義勇隊慰霊碑を訪問、梅原団長からお見舞い募金として
2万6,000NT$(日本円で10万円)を高砂義勇隊記念協会の馬偕理牧(マカイ・リムイ)総幹事に手
渡しました。
本誌でお伝えしましたように、本会は募金の趣旨をきちんと生かしていただくよう使途の透明性
を確保したいと考え、馬偕総幹事とも親しい原住民研究の第一人者で、本会主催の李登輝学校研修
団で何度も講師をつとめていただいている中央研究院民族学研究所の黄智慧先生に事前に相談しま
した。
そこで12月2日夕方、黄智慧先生と役員・支部長訪台団で訪れていた柚原正敬・本会事務局長ら
が宿泊ホテルにおいて懇談し、改めて黄智慧先生のお考えを伺いました。
黄智慧先生は、本会からのお見舞い募金の使い道についてすでに新北市烏来区の高富貫・区長と
も相談していて、復旧には1年以上かかる見通しなので、この間に、黄智慧先生を中心とした高砂
義勇隊記念協会へ助言や協力を行う顧問団を創設し、支援者を増やすようにしたいそうです。
また、若い世代に高砂義勇隊の歴史がほとんど伝わっていない現状から、原住民各部落の青年た
ちとの連携をはかるためにも、長老協会を中心にした歴史セミナーなどを開くことを考えられてい
るそうです。さらに、講習会を開いて観光ガイドの育成もしたいという意向でした。
そこで本会としては、お見舞い募金が活用されることだけを願っていますので、今後のことは黄
智慧先生や高富貫区長などに一任することとしました。
なお、11月30日時点でのお見舞い募金は197人の方々から204万円とお伝えしましたが、その後、
2人の方から2万円の募金があり、総額で206万円となっています。
そこで、使い道が決まるまで、残金の196万円は本会理事で台北事務所長の早川友久氏に管理を
委託し、黄智慧先生から連絡があれば早川所長からお見舞い募金を手渡すことに致しました。
今後、使い道については、黄智慧先生から本会と早川所長にご連絡いただけることになりました
ので、本会ホームページや本誌でお伝えする予定です。
なお、土砂崩れに遭った高砂義勇隊慰霊碑ですが、さざれ石などの周辺は倒木がきれいに片づけ
られ、8月の時点からは様変わりしていました。相変わらず大量の土砂が慰霊碑を覆っていたもの
の、土砂に埋もれていた高砂義勇隊の銅像は重機で引揚げられて広場に立てられていました。早期
の復旧を願いながら役員・支部長訪台団一行は烏来を後にした次第です。
平成27年(2015年)12月吉日
日本李登輝友の会