係の基礎とすることを再確認する下院第88号決議案」を全会一致で可決した。
続いて、5月16日には米国連邦議会の下院が「台湾関係法」と台湾に対する「6つの保証」を台米
関係の基礎とすることを再確認する「共同決議案」を可決した。
すると今度は6月23日、米国連邦議会上院の外交委員会が「台湾関係法と台湾に対する6つの約束
が米国と台湾との関係における重要な基礎であることを確認する決議案」を採択したという。
台湾の蔡英文総統は6月24日から7月2日までパナマとパラグアイを訪問、パナマではパナマ運河
拡張工事の完成記念式典に出席し、パラグアイでは国会で演説を行う予定だというが、これに先
立って採択されたことになる。
蔡英文総統は24日、経由地のアメリカ・マイアミで台湾関係法を支持する地元選出の共和党上院
議員のマルコ・ルビオ氏と会談。ルビオ議員は「米国は今後も台湾を支持し続け、関係が深まるよ
う蔡総統と協力していく」(中央通信社)と述べたと報じられている。
ちなみに、本誌で何度か説明しているように、アメリカの台湾関係法は、中国との国交樹立直後
の1979年3 月に上下両院で可決し、ジミー・カーター大統領が4月10日に署名、1 月1 日に遡って
発効させた18条からなる国内法だ。
この法律のポイントは第2条にあり、台湾に関して「平和手段以外によって台湾の将来を決定し
ようとする試みは、ボイコット、封鎖を含むいかなるものであれ、西太平洋地域の平和と安全に対
する脅威であり、合衆国の重大関心事と考える」【第2条B項(4)】とする米国の立場を明らかにし
た上で「防御的な性格の兵器を台湾に供給する」【第2条B項(5)】と定めたことにあり、軍事協定
といってよい。
また、ロナルド・レーガン大統領時代の1982年7月14日、兵器供与に関して下記の「6つの保障」
を定め、台湾側に伝えている。
(1) 台湾への武器供与の終了期日を定めない。
(2) 台湾への武器売却に関し、中国と事前協議を行なわない。
(3) 中国と台湾の仲介を行わない。
(4) 台湾関係法の改正に同意しない。
(5) 台湾の主権に関する立場を変えない。
(6) 中国との対話を行うよう台湾に圧力をかけない。
米国は「台湾関係法」と台湾に対する「6つの保証」が米台関係の基礎であることを下院の外交
委員会と下院で可決し、今度は上院の外交委員会でも可決、改めて蔡英文政権支持の姿勢を示し、
台湾へさまざまな圧力をかけている中国を牽制したと言える。
総統外遊直前、米上院が台湾支持決議
【台湾国際放送:2016年6月24日】
米国上院の外交委員会は23日、「台湾関係法と台湾に対する6つの約束が米国と台湾との関係に
おける重要な基礎であることを確認する決議案」を採択した。この決議案では、6つの約束の内容
とその歴史について説明している他、米国の大統領と国務長官に対し、公の場で、積極的に、この
6つの約束が米国と台湾の関係の基礎であることを示していくよう促している。
米国下院でもこれに類似した決議を5月16日に行っており、今回可決された決議案が上院の本会
議でも可決された場合は大きな意義を持つこととなる。
蔡英文・総統は24日からの中南米訪問の際、米国のマイアミでトランジットする。この決議案を
推進したフロリダ州選出のルビオ上院議員はその際、複数の議員らと共に蔡・総統と対面する可能
性があるという。
米国の台湾に対する6つの約束とは、1982年に当時のレーガン米大統領が示したもので、台湾に
対する武器供与に期限を設けないことなどが言明されている。