提携についても伝えてまいりました。
2013年以来の姉妹鉄道の急増ぶりには目を見張るばかりで、本日紹介する北海道・帯広市の幸福
駅(旧広尾線の廃駅)と台湾・新竹県の合興駅(内湾線)の姉妹駅についても、昨年11月29日号の
「姉妹駅実現へ一歩 帯広・幸福駅と台湾・合興駅」を第1報として、何度かご紹介してきまし
た。それが今年の10月22日にようやく実を結ぶことになったそうです。
昨日(7月22日)、新竹県の邱鏡淳県長やメディア関係者ら22人が北海道帯広市役所を訪れて米
沢則寿(よねざわ・のりひさ)市長と面会し、また幸福駅を訪れました。台湾メディアの中央通信
社が写真とともにその模様を伝えていますので下記にご紹介します。
また、NHKニュースでもこのことを取り上げ、幸福駅を訪問した模様を下記のように伝えてい
ます。
<幸福駅を訪れた一行は、駅舎を管理する帯広市の職員から、鉄道が廃線になったあとも多くの観
光客が訪れる名所になっているなどと説明を受けました。このあと、近くに設けられている「幸福
の鐘」を鳴らしたり、鉄道が走っていた当時の切符を模した「幸福カード」に「幸せ一杯」と書い
て駅舎の壁に貼ったりしていました。
新竹県の邱鏡淳県長は「幸福駅に来たらいろんな人の幸福が感じられる。幸せや喜びでいっぱい
です」と話していました。>
新竹県政府の「縣府新聞」は、写真を12枚も使って報じていて、邱県長の「幸福駅に来たらいろ
んな人の幸福が感じられる」との感想にも納得です。下記にご紹介しますのでご覧ください。
◆邱縣長參觀北海道幸福車站敲響幸福鐘聲祝福「終生幸福」【縣府新聞:2016年7月22日】
http://www.hsinchu.gov.tw/zh-tw/Event/NewsDetail/57243
帯広市は中国の朝陽市と国際友好都市を結んでいることもあり、合興駅との姉妹駅提携にかなり
慎重になっていたようです。しかし、最近の日台間の姉妹都市や鉄道提携の急増ぶりが奏功してい
るためか、中国の妨害についてはほとんど耳にしなくなりました。
10月に幸福駅と合興駅の姉妹駅を結びますと、日台の姉妹鉄道提携は23件(下記)となり、2013
年以降の4年間で22件。年間5件以上の提携です。
姉妹都市も2012年以降の5年間で32件。年6件以上、つまり2ヵ月に1回の頻度で日台は姉妹都市を
結んでいることになります。2013年以降の4年間でも27件。鉄道提携と合計すれば49件で、月平均4
件の提携が行われていることになります。これだけ多いと、中国も妨害しようにも手が回らないと
いうのが実情のようです。
幸福駅と合興駅の姉妹駅が無事提携できることを念ずるとともに、提携の日取りが決まったこと
を心からお祝い申し上げます。
◆帯広市・幸福駅公式ホームページ 幸福駅発
http://www.koufuku-eki.com/about
◇ ◇ ◇
日台「姉妹鉄道」一覧
【平成28年(2016年)7月22日現在 日本李登輝友の会調べ】
1)1986年01月25日 大井川鐵道と阿里山森林鉄道が姉妹鉄道
2)2013年04月20日 黒部峡谷鉄道と阿里山森林鉄道が姉妹
3)2013年04月23日 江ノ電と平渓線が観光連携協定
4)2013年10月13日 JR四国の松山駅と台湾鉄道の松山駅が姉妹駅
5)2014年04月30日 秋田の鳥海山ろく線と平渓線が姉妹鉄道協定
6)2014年10月28日 千葉のいすみ線と集集線が姉妹鉄道協定
7)2014年12月22日 山陽電鉄と宜蘭線が姉妹鉄道協定
8)2014年12月22日 山陽電鉄の亀山駅と宜蘭線の亀山駅が姉妹駅
9)2015年02月12日 東京駅と新竹駅が姉妹駅
10)2015年02月26日 京浜急行電鉄と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定
11)2015年03月14日 西武ホールディングスと台湾鉄路管理局が友好協定
12)2015年03月14日 西武鉄道と台湾鉄路管理局が姉妹鉄道協定
13)2015年09月04日 長良川鉄道と内湾線が姉妹鉄道協定
14)2015年12月04日 大阪駅と台北駅が姉妹駅
15)2015年12月18日 東武鉄道と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定
16)2015年12月21日 山陽電鉄と台湾鉄路管理局が観光連携協定
17)2016年01月21日 鉄道総合技術研究所と台湾鉄路管理局が技術協力協定
18)2016年02月25日 JR四国と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定
19)2016年03月15日 江ノ島電鉄と台湾鉄路管理局が友好鉄道協定
20)2016年06月01日 いわて銀河鉄道と台中線(山線)が姉妹鉄道協定
21)2016年06月01日 三陸鉄道と海岸線(海線)が姉妹鉄道協定
22)2016年07月04日 江ノ電と高雄メトロが観光連携協定
23)2016年10月22日 帯広市の幸福駅と新竹県の合興駅が姉妹駅協定(予定)
新竹県長、北海道帯広市を訪問 「愛情」「幸福」の姉妹駅締結に招待
【中央通信社:2016年7月22日】
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201607220004.aspx
写真:幸福駅を見学する新竹県の邱鏡淳県長(左2)ら=新竹県政府提供
(新竹 22日 中央社)新竹県の邱鏡淳県長は21日、北海道帯広市役所を訪れ、米沢則寿市長と面
会した。愛情駅として知られる台湾鉄路(台鉄)内湾線合興駅(新竹県)は帯広の旧国鉄広尾線幸
福駅と10月22日に姉妹駅協定を締結する予定。邱県長は調印式の招待状を米沢市長に手渡した。
合興駅と幸福駅はともに恋人の聖地として知られる。新竹県と帯広市は2年におよび姉妹駅締結
に向けた協議を進めていた。邱県長は、両駅の提携により、両地の文化や産業、経済交流などを発
展させ、さらには歴史的意義を持つ地元の美しさを海外にPRすることで、観光産業の発展を促進で
きればと期待を示した。
また、双方の交流のため、帯広市が2014年以降複数回にわたって職員を新竹に派遣したことに対
し、感謝を述べた。
新竹県によると、姉妹駅締結後、両駅は相互のグッズ販売や限定品の製作、イベントの開催など
を行う予定。10月22日の調印式当日には、合興駅でコンサートやアニメキャラクターのパレード、
ピクニックパーティーなどの催しが開かれる。
邱県長は22日には幸福駅を見学。「幸福台湾、幸福満満」(幸せな台湾、幸せいっぱい)と書い
たポスカードを駅内に張り、県民の幸せを願った。
(魯鋼俊/編集:名切千絵)