米国防総省は11月13日、駐米国台北経済文化代表処(大使館に相当)が購入を希望していた戦闘機の予備部品や修理部品など、総額3億3000万米ドル(約510億円)相当の武器供与を承認した。
今年1月20日に発足した第2次トランプ政権で初の台湾への武器供与となる。
米国防安全保障協力局(DSCA)によると、供与されるのは、F16戦闘機やC130輸送機、国産戦闘機「経国号」(IDF)の非標準部品や予備部品、修理部品、消耗品、付属品、修理・返却サポートなど。
米政府および請負業者によるエンジニアリングや技術、後方支援サービス、その他関連のサポートも含まれるという。
第1次トランプ政権では、政権が発足してから5ヵ月後の2017年6月29日に、台湾に対水上艦艇と対潜水艦攻撃用の大型で長射程の魚雷やSM2艦対空ミサイル部品など7項目にわたる総額約14億ドル(約1600億円)の武器供与を発表している。
第2次政権はそれより5ヵ月も遅く、バイデン政権では1回目が政権発足後6ヵ月半ほどの2021年8月4日だったことを振り返ってみれば、第2次政権の慎重な対応ぶりが際立っていると言えるだろう。
間もなく国防総省は「国家防衛戦略」を発表すると見込まれ、中国が「インド太平洋地域での覇権を狙い、将来的に米国に変わって世界で優位に立とうとしている」との認識に変わりはないと言われ、「米国本土の防衛」と「中国の台湾制圧の抑止」が最大の重点だという。
第二次トランプ政権が始まった直後の今年2月13日、国務総省は米台関係を説明するホームページの「ファクトシート」を更新し、「台湾独立を支持しない」という文言を削除し、新たに、台湾海峡両岸の相違は、強制によらず、両岸の人々が受け入れられる方法で解決されることを期待する旨を追加した。
8月15日には、トランプ大統領が「中国の習近平国家主席はトランプ氏が大統領の座にある限り、中国は台湾に侵攻しない」と述べたことを明らかにしている。
一方では、中国の習近平体制の維持力が弱まっているとの指摘もあり、今回の台湾への武器供与も中国抑止の一環から承認されたものとみられる。
米、台湾に510億円規模の戦闘機部品売却へ 国防部「強靭性強化に寄与」【中央通信社:2025年11月14日】https://japan.focustaiwan.tw/politics/202511140005
(台北中央社)米国防総省は13日、台湾への戦闘機の予備部品や修理部品を売却することを承認した。
総額3億3千万米ドル(約510億円)規模と見られる。
国防部(国防省)は14日、空軍戦闘機の戦闘準備態勢の維持の他、防空体制や防衛の強靭(きょうじん)性、中国による武力行使とは言えないグレーゾーン作戦への対応力強化に寄与すると説明した。
米国防安全保障協力局(DSCA)によると、売却されるのは駐米国台北経済文化代表処(大使館に相当)が購入を希望していた、F16戦闘機、C130輸送機、国産戦闘機「経国号」(IDF)の非標準部品や予備部品、修理部品、消耗品、付属品、修理・返却サポートなど。
米政府および請負業者によるエンジニアリングや技術、後方支援サービス、その他関連のサポートも含まれる。
同局は、航空機の運用態勢が維持され、現在および将来の脅威への対応力が高まるとの見方を示した。
国防部は、米国が台湾との在り方を定めた国内法「台湾関係法」や台湾に対する「六つの保証」に基づき、台湾の防衛力維持に十分な支援を続けていることに感謝を示した。
(游凱翔/編集:齊藤啓介)。
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