本誌では、日本と台湾の交流深化のバロメーターとなる自治体同士の提携などを紹介している。
鉄道提携もバロメーターとなるのでたびたび紹介してきた。
8月19日、JR九州と国営の台湾鉄路(略称:台鐵)が「協力覚書」を締結。
今後は安全・運営技術、生活事業、鉄道観光などの分野で協力していくという。
ちなみに、JR九州宮崎支社と台湾鉄路の前身の台湾鉄路管理局は2023年11月に、「日南」という同名駅を契機に「姉妹駅協定」を結んでいる。
すでに両社の縁は結ばれていた。
この提携は、5月30日に京阪ホールディングスとMRTの高雄メトロ(高雄捷運)が「友好連携協定」を締結して以来のこととなり、本年、6件目の提携となる。
1986年1月25日に大井川鐵道と阿里山森林鉄道が日台初の鉄道提携である「姉妹鉄道」を結んでからは60件目の提携だ(本会調べ)。
区切りの日台鉄道提携60件を祝しつつ、下記に台鐵公司ホームページ掲載の「最新消息」と中央通信社の記事をご紹介したい。
◆臺鐵公司與日本JR九州公司簽署合作備忘録 深化雙方交流與合作 【台鐵公司「最新消息」:2025年8月25日】 https://www.railway.gov.tw/tra-tip-web/tip/tip009/tip911/newsDtl?newsNo=8ae4cac398dd762a0198defc489b02c7&page=0
台湾鉄道、JR九州と覚書締結 技術や観光などの分野で協力へ【中央通信社:2025年8月25日】https://japan.focustaiwan.tw/travel/202508250006
(台北中央社)台湾鉄路(台鉄)は25日、JR九州と先日、協力覚書を締結したと報道資料で明らかにした。
今後、安全・運営技術、生活事業、鉄道観光などの分野で協力していくとしている。
台鉄幹部らは海外の鉄道事業者の経営について学ぼうと、陳世凱(ちんせいがい)交通部長(交通相)の指揮の下、19日から22日までの日程で訪日し、JR九州を訪問した。
覚書の調印は19日に陳氏立ち会いの下で行われ、台鉄の鄭光遠董事長(会長)とJR九州の古宮洋二社長が署名した。
陳氏は、台日が長期にわたって交通輸送の分野で緊密に交流を保っており、特に鉄道技術と運営管理においては、深い相互信頼があると言及。
鉄道事業での経営多角化や観光列車ブランドによる地方創生で大きな成果を挙げたJR九州は、台鉄が転換を図る上での参考になると語った。
鄭氏は、今後もJR九州との協力を深化させ、双方の人々に、より上質で温もりのある鉄道サービスを提供できればと期待を示した。
台鉄は2024年に国営企業化された。
鉄道事業技術の向上と経営の効率化を目指し、先進的な取り組みを行う外国の鉄道事業者と積極的に交流を進めている。
(余暁涵/編集:荘麗玲)
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