本誌では、日本や米国からの国会議員などの訪台に注目する一方、ヨーロッパからの訪台や台湾との関係を強化しようとする動議可決が頻繁に行われるようになったことにも注目している。この動きに、永世中立国スイスが加わったことに驚いている。
5月2日、スイスの国民議会(下院)において台湾との二国間交流を深めることを目的とした動議が可決された。
この「下院と台湾立法院(国会)との関係強化」に関する動議は、下院議員で「スイス・台湾友好議連」の共同代表を務めるファビアン・モリーナ議員や同じく共同代表のニコラス・ワルダー議員などが提案し、下院外交政策委員会が提出した動議。
スイス下院では2021年9月4日に台湾との関係改善を求める動議が圧倒的多数で可決され、それに続く可決。「Taiwan Today」誌が報じているので下記にご紹介したい。
この2021年9月に可決された動議も、本年2月5日から10日にかけて訪台したファビアン・モリーナ議員やニコラス・ワルダー議員などの「スイス・台湾友好議連」が、商業や政治、科学、文化の分野における台湾との2者間関係をいかにして強化していくかを政府に求めたもの。
なお、4月20日には、オランダ議会第二院(下院)でも、「政府は欧州連合(EU)、米国及びその他西側の同盟国が中国の台湾に対する圧迫問題について一致した立場を取り、台湾海峡の緊張緩和と現状維持のため効果的に連携していくよう促すべき」とする動議案を134票対14票の圧倒的多数で可決している。
オランダ議会は2021年2月25日、中国・新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族の状況についてヨーロッパでは初めてとなる「ジェノサイド(集団虐殺)」と認定する動議を可決している。
—————————————————————————————–スイス下院が台湾立法院との関係強化議案を可決、外交部が歓迎【Taiwan Today:2023年5月4日】https://jp.taiwantoday.tw/news.php?unit=149&post=236204&unitname=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9-%E6%94%BF%E6%B2%BB&postname=%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E4%B8%8B%E9%99%A2%E3%81%8C%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E7%AB%8B%E6%B3%95%E9%99%A2%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82%E5%BC%B7%E5%8C%96%E8%AD%B0%E6%A1%88%E3%82%92%E5%8F%AF%E6%B1%BA%E3%80%81%E5%A4%96%E4%BA%A4%E9%83%A8%E3%81%8C%E6%AD%93%E8%BF%8E
スイス国民議会(下院)は2日、下院外交政策委員会が提出した「下院と台湾立法院(国会)との関係強化」に関する議案を可決した。これを受けて中華民国(台湾)外交部(日本の外務省に相当)は、心からの歓迎の意を表した。
同議案は、下院幹部会に両国の国会の2者間関係強化を働き掛けるもの。双方の協力で、民主主義の強化、平和と地域の安定の促進、スイスと台湾間の経済、政治、科学、文化交流の深化を支援することが見込まれる。
2月に台湾を訪れたスイスの下院議員で連邦議会における親台湾派議員グループの共同代表を務めるFabian Molina氏は、民主主義が世界で徐々に衰退していることから、民主主義国家は互いに支え合わなければならず、スイス連邦議会は、中国が主権決定に干渉することを許すべきではないと指摘した。一方、Fabian Molina氏と同じく共同代表を務めるNicolas Walder氏は、同決議案が民主的な台湾への支持を示していると述べた。
スイス下院では今回、2021年9月4日に台湾との関係改善を求める議案が圧倒的多数で可決されたことに次いで、2年以内に再び台湾に友好的な議案が可決された。台湾とスイスは、民主主義、自由、基本的人権の尊重、法治制度などの普遍的価値を共有するパートナーシップを築いている。
外交部は、引き続き双方の二国間関係を深め、世界の民主主義のために理念を同じくするその他の国家と提携し、平和、安定、持続可能な繁栄の実現に向けて、より多くの貢献を果たすとしている。
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