台湾有情:澄んだ目 [産経新聞台北支局長 長谷川 周人]

【2月17日 産経新聞「台湾有情」】

 3年余りの台湾生活を振り返れば、春節(旧正月)を台北で過ごしたことがない。新聞
は休刊となり、テレビも“初詣で”に繰り出す政治家の映像ばかり。みな家族など大切な
人の元に戻り、台北はもぬけの殻となるが、あえて今年はここにとどまろうと決めた。

 自転車で街に出てみたら、飲食店は軒並みシャッターが下りている。健在の台湾屋台は
天下一品だが、朝昼晩と3日も食べれば飽きがくる。困り果ててコンビニに足を運び始め
たころ、救いの“女神”が現れた。1年ほど前に知り合った大学院に通う女の子に窮状を
訴えると、なんと実家に招いてくれたのだ。

 喜び勇んで中部・新竹の実家を訪ねると、食卓にはお母さんの手料理がずらり。しかも
自宅裏の畑で採れた野菜は鮮度抜群で、心のこもった本当の家庭料理を堪能させて頂いた。
ふと台所を見渡すと、よく使い込んだ鍋釜や包丁がびっしり並んでいた。料理のうまさを
みれば推して知るべしだが、食事が終わると娘たちは片付けに立ち、茶をたてる父親を手
助けする。外食依存度が極度に高い台湾にあって、家族の味覚をきっちり育て、しつけの
大切さを知るご両親に感服した。

 心温まるときに感謝の言葉もないが、女神が奏でるピアノの音色に癒されながら思った。
生まれた土地を愛し、誇りに思える台湾であり続けるよう祈りたい、と。澄んだ目を持つ
彼女たち次世代の将来のために。(長谷川周人)


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