「最後の台南市長」羽鳥又男の胸像がふるさとの菩提寺に来春建立

本誌でも何度か紹介しているが、孔子廟を復活させるなど台湾の文化を守った「最後の
台南市長」として、今でも台南の人々から尊敬されている群馬県出身の羽鳥又男について
、昨日の「上毛新聞」のコラム「三山春秋」が紹介していることを、羽鳥又男の令息で本
会会員でもある羽鳥直之氏より教えていただいた。

 奇美実業の許文龍氏はこれまで、鄭南榕、李登輝前総統、後藤新平、浜野弥四郎(台湾
の上下水道を開発整備した千葉県出身の技術者)などの胸像を製作して顕彰してきている
が、羽鳥又男の胸像も製作したという。来春、菩提寺に建てられると伝えている。
                                    (編集部)


【コラム】三山春秋
【12月24日 上毛新聞】

▼台湾の近代化に尽くした日本人の名前を挙げると、後藤新平、八田与一、羽鳥又男だと
いう。後藤は台湾総督府民政長官、八田はダム建設の技師、羽鳥は日本人最後の台南市長

▼三人の中で最も知名度が低く、故郷でも忘れられた存在なのが羽鳥だろう。ところが同
市では台湾の文化を守った偉人として、今も敬われ、胸像まであるという
▼富士見村出身のキリスト教徒だった。熱帯医学のパイオニアとして名高い親類の羽鳥重
郎博士を頼って一九一七(大正六)年、植民地の台湾へ。総督府職員となり、終戦の年ま
で三年間、市長を務めた
▼在任中、孔子廟(びょう)を修理し、祭礼を復活させている。クリスチャンがなぜ…と
首をかしげたくなるが、「孔子の教えは国境を超え、時代を超えて永遠に伝承されるべき
もの」と考えていた
▼軍が幅を利かせた時代だ。神社参拝が強要された。その時、見せた勇気が語り継がれる
ことになる。廟に神棚を置かせて拝ませているのを知?り、孔子を祭る場所にふさわしくな
いと、取り外しを命じたのだ
▼胸像が羽鳥家の菩提(ぼだい)寺、珊瑚(さんご)寺(富士見村)にも立つ。台南市の
実業家、許文龍さんが業績を知ってもらおうと贈った。開眼法要は来春。宗教的立場を超
えて矜持(きょうじ)を守った上州人のキリスト教徒だ。お寺に像があっても不自然では
ない。


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