台湾の声編集部 2016.2.24 23:00
台湾では、1月16日に選出された立法委員が2月1日に就任し、新国会が開かれ、新人立法委員たちの鋭い質問に注目が集まっている。
2月23日、「時代力量」のフレディー・リムが質問に立ち、その中で「チャイニーズ・タイペイ」という名称についての政府の対応について質した。ここではその部分を紹介する:
【張善政・行政院長】私たちの憲法によれば、私たちがひとつの国家で、対岸〔中華人民共和国〕がひとつの国家であるということは認めません。
【フレディー・リム立法委員】つまり、私たちが国家名義ではなく「チャイニーズ・タイペイ」を用いているように、「対岸」もひとつの国家ではないというわけですね。
あなたがたの考えでは、私たちが特別で敏感な状態にあって、私たちが矮小化されて、「チャイニーズ・タイペイ」と呼ばれていて、「対岸」は、矮小化されず、「中国」と呼ばれている、ということになります。
したがって、あなたがたの論理と、馬総統・馬政権の理念からすれば、それは、私の論理ではありませんが、あなたがたの政策を徹底的に進め、あなたがたが言っている「対等・尊厳」というのを実践するのであれば、まさに「対岸」のことを、「チャイニーズ・ペキン(中華北京)」であれほかの呼び方であれ、矮小化しなければならないのです。
つまり、彼らが「チャイニーズ・ペキン」と呼ばれ、私たちが「チャイニーズ・タイペイ」と呼ばれる。こうすれば、馬総統の言うところの、「両岸は国と国ではない特殊な関係である」という状況を実現できるのです。
【張善政院長】多くの国際組織において、私たちがどうしたいという希望が通るわけではありません。
【フレディー・リム委員】もちろん、私も理解しています。馬総統が「対等で尊厳のある」としている点について、少なくとも、あなたがたの心の中で、そのような要求を持たなければならないのではないかということです。
私が知りたいのは、「対等・尊厳」ということはあなたがたが言ったことなのですから、あなたがたは心の中に、いつか「対岸」を圧倒し、彼らを「チャイニーズ・ペキン」にしてやる、あるいは、彼らに五星紅旗を降ろして、オリンピック委員会の旗を掲げさせる、彼らに国家を歌わせず、ほかの代替歌を歌わせてやる、という想いを持っているのかということです。
「対等・尊厳」ということを8年間、言ってきたわけですから、いつかは、これを実現するというふうに考えたことがあるのでしょうか。
【張善政院長】国際組織が、どのように「両岸」の名称を処理するかについて、最終的な決定権は彼らにあります。
ただ、私たちの国家について言えば、「チャイニーズ・タイペイ」が、現在のところ、私たちが国際的なスポーツの試合に加わることのできる、ひとつの名称であり、私たちはこういった国際組織の現実から出発する必要があるのです。
【フレディー・リム委員】私の理解では、私が先ほど申し上げた、国際映画祭、スポーツの国際試合意といった国際交流において、台湾人民は、いずれも実力によって事実上の参加をしています。ですから、私は、事実上の参加についてあなたと議論しているのではなくて、私が論じているのは尊厳についてです。
私たちは国際的な試合に参加できますが、私たちの名称が矮小化されているという点です。あなたがたにとって、「両岸は国と国との関係ではない」から、「チャイニーズ・タイペイ」という名称でもかまわない、もともと国家ではないのだから矮小化されていない、というのであれば、同じ理屈で、「対岸」も「チャイニーズ・ペキン」と呼ばれるべきではないでしょうか。
ところが、あなたがたは、このように主張する勇気がないし、そう考える勇気もないのです。このような状態で、なにが「対等・尊厳」なんでしょうか。
【夏立言・行政院大陸委員会主任委員】私どもは、一貫して国際社会において正式な国名を名乗り、正式な方式で参加することを勝ち取ることに努め、これが私どもの努力の目標です。
【フレディー・リム委員】つまり、「中華民国」ということですか。
【夏立言主任委員】そうです。
【フレディー・リム委員】やっとこの言葉が出ました。もしあなたの胸の中の希望が、将来、国際社会において、「中華民国」と「中華人民共和国」が同時に存在することであるならば、それは、「2つの中国」という主張です。なおかつ、これは、今、ネットで言われている「華独」です。
これはあなたがた二人の胸のうちにある考えであり、私の考えではありません。私は「台独」です。でも、私は、あなたがたが「華独」であることに敬意を表します。あなたがたは少なくとも、馬英九総統とは違うのですから。
【夏立言主任委員】私どもは、「中華民国」の憲法にもとづいて求めているものであり、実務においては、国際社会においては、異なる優先順位があります。たとえば、「中華民国」かもしくは「台湾」であれば、私どもは、いずれも受け入れることができます。