2014.4.8
演題「台湾の危機を感じ取った学生たちの立法院占拠」
日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」より転載
台湾は昨年6月に中国とサービス貿易協定を結び、中国国民党が立法院における審議を打ち切っ
て承認手続きを一方的に進めようとしたことに対し、密室で結ばれた協定の内容は台湾の存亡に関
わると感じ取った大学生たちは3月18日夜、立法院の議場を占拠。学生たちはこの運動を「太陽花
学運(ヒマワリ学運)」と名付け、サービス貿易協定の撤回や事前監督制度の法制化、公民会議の
開催などを求めています。
学生たちが3月30日に行った抗議デモは50万人を超え、李登輝元総統も「指導者は学生たちの意
見に耳を傾けるべき」と表明し、台湾の民意も学生たちを支持。
この一連の動きを、メルマガ「台湾の声」などを通じていち早く伝えてきた多田恵氏に、「台湾
の危機を感じ取った学生たちの立法院占拠」と題し、学生たちが立法院占拠を企てた背景や今後の
展望などについてお話しいただきます。また、立法院の中に入り、これまで学生たちの活動を支援
してきた方を特別ゲストとしてお招きする予定です。
ご参加の方は、申し込みフォーム、メール、FAXにてお申し込み下さい。
平成26年4月吉日
日本李登輝友の会
記
◆日 時:平成26(2014)年4月26日(土) 午後2時〜5時(1時30分開場)
◆会 場:文京シビックホール 3階 会議室1
東京都文京区春日1-16-21 TEL:03-5803-1100
*正面玄関入って右手のエレベーターをご利用下さい。
【交通】地下鉄:丸ノ内線・南北線 後楽園駅 徒歩2分
都営三田線・大江戸線 春日駅 徒歩3分
JR総武中央線 水道橋駅 徒歩10分
http://www.city.bunkyo.lg.jp/sosiki_busyo_shisetsukanri_shisetsu_civic.html
◆講 師:多田恵氏(亜細亜大学講師・本会理事)
◆演 題:台湾の危機を感じ取った学生たちの立法院占拠
多田恵(ただ・けい) 昭和47(1972)年、東京都生まれ。王育徳氏の著書に感銘を受
け東京大学文学部言語学研究室に進み、同大大学院博士課程単位取得退学。現在、亜細
亜大学などの講師を務めるとともに台湾語の普及に取り組む。国際台湾語検定日本会場
責任者。翻訳に李壬癸著「台湾オーストロネシア諸語の分布と民族移動」(下村作次郎
編『原住民文化・文学言説集II』所収)など。在日台湾同郷会理事、本会理事。
◆参加費:1,500円(会員) 2,000円(一般) *当日ご入会の方は会員扱い
◆申込み:申込フォーム、メール、FAXにて。 *4月25日(金) 締切 当日受付も可
申込みフォーム:https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/m85qxmzjhqch
E-mail:info@ritouki.jp FAX:03-3868-2101
◆懇親会:講師を囲んで会場の近くにて
参加費=男性:3,000円 女性:2,500円 学生:1,000円
◆主 催:日本李登輝友の会
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
HP:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1
—————————————————————————————–
4月26日「第17回台湾セミナー」申込書
ご氏名:
会 籍: 会員 ・ 一般 ・ 入会希望
お電話:
メール:
懇親会: 参加 ・ 不参加
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2>> 太陽花学運(ヒマワリ学運)が4月10日に立法院からの撤退を宣言
学生たちはここが潮時と読んだ。4月6日、王金平・立法院長が事前監督制度の法制化まで協定承
認手続き進めない方針を表明、立法院内に入って学生たちと直接話し合ったことで、「太陽花学運
(ヒマワリ学運)」は7日夜、10日の立法院撤退を宣言した。すぐに撤退しないのは、8日と9日に
議場内を清掃して占拠前の状況に戻すからだとした。
学生たちは記者会見で「『もっと多くの人々から支持と理解を得るため、これからは守りではな
く、攻めの姿勢に切り替え、台湾の各地やネットで、講演、シンポジウム、デモ活動などを行う予
定だ』とコメントし、『サービス貿易協定の撤回と、協定を監督する法律の成立は言うに及ばず、
国民憲法会議を開くことも今後の目標としている』と話した」(TomoNews)と伝えられる。
学生たちは3月18日に立法院議場を占拠してから4月7日の21日目にして占拠解除に動き出した
が、読売新聞は「大手テレビ局TVBSの世論調査(2〜3日)では、立法院からの退去と抗議活動
の終結を主張する意見は33%で、占拠継続への支持(26%)を上回った」と報じており、学生たち
は世論の動向もにらみながら撤退を宣言したようだ。
一方、7日に記者会見した馬英九総統は学生たちの撤退宣言を評価しつつも、協定の監督法案の
審議とサービス貿易協定の審議を同時進行すると従来どおりの方針を強調、王院長宣言との食い違
いを見せ、学生たちの要求をも無視するような発言をしている。
「太陽花学運(ヒマワリ学運)」は、サービス貿易協定の承認手続きを巡って一定の成果を上げ
たとして立法院から撤退するが、最終目標は協定撤回だ。馬英九政権との隔たりはまだまだ大き
い。立法院を出てからの「太陽花学運(ヒマワリ学運)」の今後の活動に注目してゆきたい。
ご参考まで、立法院撤退を伝える毎日新聞の記事を下記に掲載したい。また、TomoNews(トモ
ニュース)も動画で配信しているので、こちらも併せてご覧ください。
◆動画:台湾議会占拠の学生ら撤退発表【TomoNews(トモニュース)】
http://youtu.be/wWZHvTSrZJ4
—————————————————————————————–
議場占拠の学生ら10日に退去
【毎日新聞:2014年4月8日】
【台北・鈴木玲子】台湾が中国と昨年調印した「サービス貿易協定」の承認に反対する学生らが
台北市の立法院(国会)議場を占拠している問題で、学生らの代表が7日記者会見し、10日午後6時
(日本時間同7時)に議場から退去すると宣言した。学生側は退去決定の理由について、要求が一
定の成果を得たことを挙げ、「学生運動が蓄積したエネルギーを全住民の運動に転化し、立法院か
ら台湾各地に向かう最良の時だ」と呼びかけた。
王金平院長(議長)が6日、3月18日の占拠開始以来初めて議場を訪れ、退去を求めるとともに、
学生側に歩み寄る形の議会運営を進める意向を示した。学生側はこの意向を肯定的に評価し、退去
するか協議していた。退去を3日後としたのは「議場の原状回復のため」と説明した。
王院長は、中国と協議を進める場合に立法院などが監視することを定めた「中台協議監督条例」
案が立法院で成立するまでは与野党協議を招集しないと表明。立法院で審議を進めるには与野党協
議を経る必要があるため、事実上協定審議を進めない意向を示した。
馬英九総統は7日、「立法院の正常機能が回復する」として退去を評価する声明を出した。ただ
与党・国民党の会議では、経済界の発言を引用しながら、協定発効が遅れれば今後の対中協定に影
響するとの懸念も示した。