Andy Chang
又も2月28日がめぐってきた。今年は228事件の70周年に当たる。
台湾人にとって228事件は忘れてはならない心の傷である。なぜか
と言うと70年経っても解明できない事が多いからである。
真相調査は過去に何度も行われたが、今になっても事件の死者は2
万人から5万人と言われ、さらに12万人と言う調査もある。死者の
数や最高責任者が蒋介石であると言う報告に異議を唱える者も居る。
真相がわからないから台湾人の心の傷は消えない。
70周年を迎えて真相調査の要求が高まり、中華民国国家発展委員会
(國發会)は137万ページの228事件資料を公開すると発表した。
全部の資料をデジタル化し、索引や分析データなども加えて調査の
容易、簡素化を図ると言う。なにしろ厖大な数なので、実際にデジ
タル化した資料を公開するまでに三年かかると言う人も居る。
●調査結果をどうするのか
228事件は中国人による台湾人、特に台湾の指導者層、エリートの
消滅だった。台湾社会はエリートの虐殺で大打撃を蒙った。その上
に蒋介石は事件のあと38年の長きにわたる戒厳令を敷いて台湾人
民を抑圧し続けた。だからこの事件は民族的浄化(Ethnic cleansing)
とである。それゆえ事件の真相解明のあと、今後の台湾民族の取る
べき道を明らかにしなければならないのである。
事件の責任者が蒋介石であることは明らかなのに、台湾人が政権を
取った今でも在台中国人(外省人)と国民党の妨害で蔡英文政権は
強い態度を取れない。真相解明したあと政府はどう結末をつけるの
か、このような事件が再び起きないようにするにはどうすべきかな
どを政府が示さなければ人民は納得しない。
蔡英文総統は真相の解明のあと「寛容と和解」を示唆したがこれで
は人民が満足しない。民衆は真相解明報告の発表の外、蒋介石の責
任、國民黨の関与と処罰、被害者家族に対する謝罪と補償などの外
に、全台湾に数多くある蒋介石の銅像を撤去し、中正記念館の廃止、
蒋介石と蒋経国の遺骸を保留している慈湖公園の撤去を求めている。
慈湖公園は国有地であり今でも中華民国軍の衛兵が保護している。
蒋介石が台湾人の加害者なら今すぐ撤去すべきである。
●国民党の反対と妨害
事件が起きたとき蒋介石は二個師団の軍隊を派遣して無差別殺戮や
逮捕を行った。その後も中華民国政府は蒋介石を偉大なる指導者と
して各地に蒋介石の銅像を設置し、中正記念公園を作った。蒋介石
は台湾人を虐殺した最高責任者である。それがわかれば蒋介石を記
念する銅像や記念館などは取り除くべきである。
外省人、国民党は蒋介石の責任を認めない。国民党は蒋介石の罪業
が判明すれば国民党が存在できなくなることを怖れている。外省人
は真相解明のあと国外追放されることを怖れている。それだから国
民党が政権を握っていた時代は228事件の資料を国家機密として公
開しなかったのだ。
●事件の真相は異民族の侵略だ
2228事件が起きた直接の原因は警察がタバコ売りの女性を殴打し、
これに抗議した民衆に警察が発砲して人が死んだからである。しか
し本当の原因は台湾人を奴隷視していた中国人に台湾人が抱いてい
た反感である。
中国人にとって台湾とは占領地である。日本がアメリカと戦って負
けたあと、蒋介石がマッカーサー命令で台湾における日本軍の降伏
を受理し、勝手に台湾統治を始めた。中国人は台湾を戦争の結果の
占領地として略奪したので人民の不満と反抗が起きた。228事件と
は侵略と略奪に反対した台湾人を虐殺した事件であった。
つまり228事件とは異民族の侵略と略奪に反抗した台湾人の革命で
あった。国民党が事件の真相を隠し、蒋介石を偉大な中華民族の星
と祀り上げる理由は、228事件の真相がわかれば中国人は台湾に居
所を失い、国民党は存在しなくなることを怖れるからである。