※本文下に名古屋での安倍氏講演会の案内
ブログ「台湾は日本の生命線!」より
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■「なぜこの時期に日本のタカ派が」と中国紙
安倍晋三元首相が十月三十一日から十一月一日まで台湾を訪問、馬英九総統、李登輝元総統などと会談した。
もし民進党政権時代なら、中国は日本の元首相が台湾総統と会見することを「台湾独立を支持する気か」と激しく非難したはずだ(陳水扁総統と会見した森喜朗元首相は散々やられた)。
だが今は中国の影響下に陥りつつある国民党政権だから、怒らないでいいらしい。国民党政権自身も、それは中国との関係改善政策の成果だと自慢している。
しかしやはり中国御用メディアは黙っていなかった。
たとえばマカオの新華澳報は十一月二日の論評で、「麻生太郎に次ぐ今年二人目の日本の元首相の訪台であり、中日の釣魚台事件の波動が続く中での訪台でもある。彼本人の釣魚台に関する立場も強硬で、この台湾行には微妙な政治的意味が含まれてる」にもかかわらず、なぜ「馬英九はこのタカ派を接待したのか」を分析している。
■中国の安倍氏に対する敵意がありありと
論評はまず安倍氏を「日本の政界で有名な強硬派右翼。日本の戦争の罪を否定し、中国は盲目的に反日教育で人民の思想を支配し、暗黒政治で軍事的脅威の大国だと貶し、靖国神社を参拝し、南京大虐殺と慰安婦はなかったと述べ、日米同盟の強化で中国、北朝鮮の脅威に対抗せよと主張し、中国と韓国に非難され、ニューヨークタイムスにも批判された」などと長々と紹介する。まさに中共の同氏への敵意、警戒心の代弁のようだ。
そしてその上で、「馬英九はなぜ接待したのか」の理由として、次の三つが考えられると指摘する。
一、対日関係を緩和させるため。自らの釣魚台問題での姿勢への日本側の疑いを緩和させたい。
二、米国は日米安保条約の対象範囲に釣魚台が含まれるとしたが、台湾を含むとはいっていない。そこでこの機会にそれを探ろうとした。ただし中国大陸が怒るので、あえて口にはしないが。
三、馬英九が(中国との間で)ECFAを締結した動機の一つは米、日、ASEANとFTAを結びたいからだ。日本との間での締結気分を作り出そうとしたのかも知れない。
ただ、そのいずれにせよ今回は、「羽田空港と台北・松山空港間の定期便就航の記念レセプションなどに参加するため」(時事)のものだった。安倍氏は首相時代、この直行便就航を推進していた。
■李登輝氏からは「尖閣は日本の領土」と
台湾入りした安倍氏は三十一日午後、李登輝氏の自宅を訪問。「わざわざ来てくれて光栄だ」と大喜びした李登輝氏。四十分に及んだ会談でも、「武士道、奥の細道の精神は後世に伝えていくべき」といった話題で、ほとんど同氏がしゃべったそうだ。
また「尖閣は日本の領土だ」とも語った。
安倍氏は「また日本へどうぞ」と誘ったという。ここまで日本を理解してくれる元国家元首と、きっと楽しい一時を過ごしたことだろう。
しかし今や台湾では、みながみな李登輝氏の如き親日家、知日家ばかりではない。
政界には中国に媚びる者、反日教育(中国人化教育)の影響を残す者など、大勢いる。
■なぜ馬英九総統は安倍「副首相」と呼んだのか
安倍氏が次に会見したのが馬英九総統だ。両者はともに、直行便就航を機に、両国の人的、経済交流が拡大することに期待を表明した。
馬英九氏は台南で来年五月、「嘉南大圳の父」こと八田與一氏の記念施設がオープンすることに触れ、安倍氏に開幕式への出席を誘った。安倍氏は「八田氏と同郷の森喜朗元首相も参加できたら、きっと喜ぶだろう」と述べた。
それとともに安倍氏は、ここで進んで尖閣問題に言及し、「日台を離間させようとの動きに備えねばならない」と述べるなど、中国の動きに警戒するよう呼びかけた。
馬英九氏は「釣魚台は我々の領土だ」と返した一方、尖閣付近の海域での共同開発などを訴えた。
席上、馬英九氏は安倍氏に対し、二度にわたって「副首相閣下」と呼んだ。まさか安倍氏を「元副首相」だと認識しているわけでもあるまい。
なおこの日、安倍氏は野党民進党の議員たちとの会食の場所に向かったのだが、外交部(外務省)はこのスケジュールを事前に把握しながら、用意すべき車を用意しなかった。そのため安倍氏はタクシーに乗らざるを得なかった。
この件に関して台湾人の友人から次のようなメッセージが届いた。
―――国民党政府の安倍元首相へのこれほど失礼な対応について、台湾人としてはまったく恥ずかしい!しかし「台日間で解決できない問題はない」という安倍氏元首相の見方は正しい。だが今の政府は主流の民意を代表などしていない。中国を「おやかたさま」とする馬政府だからこその非礼行為だと、日本の人々に伝えてほしい!
これは良識ある台湾人一般の思いだろう。
■「小泉純一郎氏にも訪台を勧める」と安倍氏
翌十一月一日、安倍氏は民進党の蔡英文主席を訪ねた。
蔡英文氏は日本とのFTA締結の希望を表明するとともに、尖閣問題に関し「主権は台湾に属す」「平和的に処理する」「中国との協力は考えない」「日台共同開発」といった方針を口にした。
民進党は台湾人中心の正当だが、本当に尖閣を自国の領土と思っているのだろうか。それとも中国人化教育の影響か何かで、事の当否は問わず、領土問題では譲歩しないのが正しい愛国主義だと誤解しているのだろうか
次に会ったのは王金平立法院長(国会議長)だ。国民党籍だが親日派で知られる台湾人の有力政治家の王金平氏は、安倍氏に国会演説を要請した。安倍氏は「機会があれば次回に」と答えるとともに、「小泉純一郎元首相に訪台を勧めたい」と述べた。
小泉氏の訪台が実現すれば、中国はさらに日台の動きに警戒することだろう。
会見後、メディアに囲まれた安倍氏は尖閣問題に関し、「日本と台湾は深い友情で結ばれている。だから解決できない問題などない」と語った。
なお三十一日夜、王金平氏ら超党派の立法委員(国会議員)らは日本の訪台議員団二十数名を招いてパーティーを開いた。席上、団長である北神圭朗衆議院議員(民主党)は「尖閣事件で日中関係は緊張している。台湾は低いトーンで対処するのがいいと思う」と訴えている。
■台湾人に靖国神社参拝を促す陰謀だったか
ところで安倍氏は尖閣問題への言及と並び、もうひとつ「台湾政界の関心を引く」(BBC)行動に出ている。それは三十一日に革命烈士や抗日戦争での犠牲者を祀る中華民国=国民党の慰霊施設である忠烈祠に参拝したことだ。参拝は「安倍氏側が申し出た」(外交部)ものだという。
これについて馬英九氏は直ちに歓迎の意を示した。国民党の会議席上、「党主席の立場から安倍氏の参拝を受け入れたい。これは日本側による友好的で善意ある態度だ」と評価している。
李登輝氏も反応した。「(参拝は)当然のことだ。そして台湾人が日本の靖国神社で頭を下げるのも当然のことだ。これがお互いの国家を尊重するというものである」と述べたことが大きく報道されている。(註)
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(註)この発言にを捏造した報道が出回っているらしい。李登輝氏は二日午後、FACEBOOKで次のように説明している。
“聯合報(※台湾紙)は「李は台湾人も靖国神社でお辞儀すべきだと語った」と繰り返し報道しているが、それは違う。当日、記者は私に「さきほど安倍氏が忠烈祠で抗日英雄を参拝したが」と聞いてきた。そこで私は「それは当然だ。私たちが日本で靖国神社でお辞儀するようなもので、これが相手国を尊重するというものだ」と話したのだ。”
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しかしこの発言に関して総統府スポークスマンは「両国の状況は異なる。台湾の公務員が靖国神社を参拝するのは適当ではない」とコメントしている。
先に触れた新華澳報の論評は、「安倍のこの挙は、台湾も強烈に非難されている靖国神社参拝のためかどうかは知る由もないが、もし安倍の忠烈祠参拝が台湾の民衆のお返しを求める目的のものなら、それは極めて陰険だ」などと、安倍氏に陰謀があることを仄めかしている。もちろんこれは李登輝発言批判でもある。
■安倍氏の台湾への影響力は小さくないはず
安倍氏は日台の提携を訴えに出かけたようなものだった。だがその台湾政界への影響はどれほどあったのだろうか。
それは決して小さなものでなかったことは、安倍氏が帰国した翌日、立法院で国民党の立法委員が見せた安倍氏への反撥姿勢を見てもわかる。
この委員は呉敦義行政院長(首相)に向かい、「安倍晋三は小泉純一郎に訪台を勧めるといっていた。もしあなたが安倍か小泉と会ったなら、面と向かって釣魚台の主権は中華民国に属するといえるか」と聞いている。
要するに「日本に媚びたりしないか」(日本と協調しないか)と迫ったわけだが、それは裏を返せば、安倍氏の影響力の大きさを物語るものだろう。
つまり安倍氏の来訪に喜び、勇気付けられる反中勢力、親日勢力が台湾社会には潜在し、それが媚中勢力、さらには中国をも脅かしているということだ。
さて、そんな質問をぶつけられ、「釣魚台は中華民国の領土だ。この立場はどこまでも守り抜く」などと答えた呉敦義氏。「李登輝は台湾人も靖国神社でお辞儀しろといったが、これは適切か」と聞かれても、「李登輝氏の考えには同意できない」と答えている。
実にばかばかしい問答である。敵と味方の区別がつかないもの、あるいは敵のために蠢動する者が台湾政界には多い。もちろんよく似た状況は日本の政界ではもっと早くから見られるが。
いずれにせよ日本国民も安倍氏に倣い、「日台を離間させようとの動きに備えねばならない」と台湾の政府、政治家、そして国民の訴えて行くべきではないだろうか。
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【案内】11月14日、愛知・岐阜李登輝友の会共催秋季講演会
講師:安倍晋三元内閣総理大臣
中国は「台湾侵略」に向け、今までの「沿岸海軍」から「海洋海軍」へと変貌し米海軍を阻止できる準備をしています。
そのため「第一列島線」と称した九州から沖縄、台湾、フィリピンを支配下に置くために様々な挑発行為を引き起こしています。尖閣で漁師のような日焼けがない船長の中国漁船が海保巡視船へ体当たりした事件の後、李登輝台湾元総統は「尖閣は日本の領土」と改めて明言されました。中国の野望を食い止めるに、最前線に立つ「台湾」へ勇気を与え、信頼される日本となって台湾との協力関係を持たねばなりません。
「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍政権が誕生した当時、私たちは、それまでの運動を安倍総理に預け安閑となってしまいました。その苦い経験から再起し、真性保守政権を打ち立て、日本再生へ立ち上がろうではありませんか!
今まさに国民が「安倍晋三」の真価を知る秋です。
記
【日時】平成22年11月14日 開場13:30開演14:00閉会15:30
【場所】雲竜フレックスビル西館5F スペースD (クラブ・ダイアモンドホール向い側)
地下鉄東山線「新栄町」より徒歩3分
〒460-0007 名古屋市中区新栄2−1−9 TEL 052−265-2665
【参加費】1.000円 高校生以下無料
【共催】日本李登輝友の会愛知県支部・岐阜県支部
【案内チラシ】PDFダウンロード:http://www.ritouki-aichi.com/gyoji_101114abeotosouri_fryer.pdf
【申し込み方法】
ファクスの場合、案内チラシの記入項目欄へご記入後、受付専用FAX 0568−85−8190へそのまま送信してください。
Eメールの場合、お名前、ご連絡先、同伴者数を info@ritouki-aichi.com へ送信してください。
チケット等は発行しませんので、当日、受付にて参加費をお支払い下さい。
※会場は催事をするスペースで固定席形式ではありません。
椅子は300席用意しますが、超過した場合、立見となりますことご了承下さい。
【お問合せ先】日本李登輝友の会愛知県支部事務局
TEL 052−763−4678 FAX 052−763−4588 e-mail info@ritouki-aichi.com
担当:渡辺裕一 090-3300−9686
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