永山英樹
本稿は4月22日記。ブログでは関連写真も↓
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■盗作容認の岡本真夜が「大人の対応」か
中国が国威発揚を狙って五月一日から開催する上海万博は、あの国の民族性の大
展示会のようだ。
北京五輪に続き、ここでも大々的に国策を翼賛する俳優のジャッキー・チェンら
が歌っているPRソング「2010年はあなたを待っている」は、岡本真夜の曲
「そのままの君でいて」の盗作疑惑が浮上した。
慌てた万博事務局は四月十九日、岡本側に楽曲使用の許可を申請した。事実上、
盗作を認めた形だ。
これを受けて岡本は同日、「世界中が注目するイベントである上海万博に協力さ
せていただける機会をいただき、とてもすてきなお話で光栄です」とコメント、
「盗作疑惑には一切触れず、大人の対応に終始した」(朝日新聞)とか。
世界中が中国の盗作、コピー行為で権益を侵害され、対応に苦しんでいるなかで
、これを「大人の対応」と呼ぶのだろうか。
もし岡本が「盗作には反対。今後は気をつけて」の一言でも付け加えれば、中国
への大きな警鐘になったはずなのだが。
■盗作疑惑のマスコットに込められた欺瞞メッセージ
多くの人は、岡本側は中国から何らかの見返りを受けて籠絡されたか、あるいは
脅しを受けたと勘ぐるだろう。ことに対人不信文化に染まって「お人好し」を理
解できない中国人は、たぶんそう思うに違いない。
中国側から使用を求めてきたのは十四日。翌日までに回答を、と言ってきたそう
だ。いったいそこでは、どのようなやりとりが両者間であったのだろうか。
それでも自国の面子を守ってくれた岡本への、中国人の好感度は高まっていると
伝えられる。これも「見返り」の一つなのだろうか。
盗作と言えば万博マスコットの「海宝」にもその疑惑が取り沙汰されている。
海宝は二千五百もの公募デザインの一つを基にしたもの。漢字の「人」に青色が
付されているが、それは人と自然環境の調和だとか、中国の包容力を象徴してい
るのだとかが説明されているが、環境破壊大国にして軍事大国である中国の世界
を欺く国策マスコットと言える。
言うまでもなく閉鎖的な中国に包容力などない。岡本真夜に代表される各国の「
包容力」を一方的に要求はするが。
さてその「海宝」の盗作疑惑だが、それは米国のキャラクター「ガンビー」によ
く似ているのだ。
■万博リハー中国人の「生存本能」がもたらした「無秩序」
この疑惑が晴れることはないだろう。とにかくこの手の盗作、コピーはあの国で
は枚挙に暇がない。一〇〇%同じデザインでないかぎり、許されるとするのが中
国社会の不誠実な文化だ。そうした考え方は法律にも反映されており、そのため
被害者の救済は難しい。
その「海宝」だが、さっそくコピー商品が出回っている。
万博会場では二十日から市民を動員してのリハーサルが始まったが、会場周辺で
はそれを売る露天商たちが早くも出没。堂々と販売を行っているそうだ。
国家に良心も道徳もなければ、人民もそのようなものは忘れなければ生きて行け
ない。チャンスがあれば法も社会秩序も掻い潜ると言うのが、あの国では生存の
条件となっているのだ。
だからリハーサルでは、この民族の「競争本能」が遺憾なく発揮された。
万博では一日あたり四十万人もが入場するとの予測から、二十日のリハーサルで
は二十万人の市民が動員され、参観を行った。
会場建設の関係者や、開催地から立ち退かされた元住民などが多かったそうだ。
だが秩序を嫌う群衆をこれだけ集めれば、現出するのは無秩序状態でしかなかっ
た。
■無秩序の中国群衆が日本へ来たらどうなるか
まず入場ゲートが混乱に包まれた。公安当局はでの混雑を防ぐため、一人十八秒
で手荷物検査やボディーチェックを行い、一時間で二十万人を入場させようと試
みたが、それにはどうしても市民側の協力が必要となる。従ってとても処理でき
ず、一部では検査を断念した。
市内にはテロなどを警戒した武装警察官が大量動員され、厳戒態勢が敷かれてい
るのだが、肝心の会場内がこれでは対処しようがなくなるだろう。
会場内でもパニック寸前に陥ったと言う。
参観者の列に人が殺到して最も人が殺到したのが中国館だ。予約券が必要となる
が、販売機が故障するなどで長時間待たされる群衆が怒りを募らせた。柵を越え
て侵入しようとする者も続出した。口論、押し合いが起こり、将棋倒しに近い状
態ともなったとか。
イタリア館ではガラス戸が人列の圧力で割れたそうだ。いくつかの国のパビリオ
ンは混乱を恐れ、閉館した。
あの国ではよく見られる危険な光景である。
物事をスムーズに運ぶためには秩序が第一だとするのが「日本人の知恵」だが、
何事も「我先に」で競って無用の混乱を引き起こすのが「中国人の本能」だ。宥
めも脅しも、あの国の群衆には効かない。そればかりか火に油を注ぎかねない。
過酷な生存環境を生き抜いてきた民族だからこその「無法ぶり」であり、その点
については同情に耐えないが、しかしこの人々が海を越えて日本に大量移住して
くることには反対だ。
なぜなら日本政府は中共と違い、銃剣でこれらを統制、弾圧することができない
。
■「台湾館」で台湾人籠絡目指す侵略国家
二十一日のリハーサルは平穏に行われたとか。それは参観者が五万人に抑えられ
たからだ。
この日に公開されて人気を集めたとされるもの台湾館がある。
中国は上海万博を、台湾の人心掌握の場とする戦略だ。この日は御用メディアが
、台湾館を訪れた人々の「台湾絶賛の声」を盛んに報じていた。
〇五年の愛知万博には、台湾人客は七十〜八十万人が訪れている。そこで上海市
の台湾事務部門は「二百万人の台湾人を上海に呼ぶことは問題ない」と試算して
いる。
ちなみに台湾館は台湾の国ではなく、台湾経済貿易センターの出展と言う扱いだ
。
中国側は元来それを国内パビリオンエリアに設け、「台湾は中国の一部」だとす
る宣伝に利用したかったのだが、それでは台湾世論が許さない。そこでやむなく
国内エリアに一番近い、外国のパビリオンエリアのはずれに設置した。
中国の統一戦線工作を受けている台湾の国民党政権も万博をべた褒めだ。劉兆弦
前行政院長(前首相)も参観する予定だが、国内では中国の工作に引っかかり、
国家機密を漏らすのではないかと懸念する声が高まっている。
民進党政権時代、中国は国威発揚の大イベントである北京五輪、そして上海万博
の閉幕後に台湾への武力統一を行うと予測されていたが、現在は国民党が政権を
握っている以上、閉幕後には平和統一の猛攻勢を仕掛けてくるものと見られてい
る。
台湾統一は台湾侵略である。上海万博は他国侵略のためのイベントでもあるので
ある。
可愛らしい(?)「海宝」のマスコットなどに幻惑され、この万博を平和の祭典
などと考える日本人がいるのなら、それは大きな間違い。中国の宣伝に騙されて
いるとしか言いようがない。