【読者報告】林修氏への手紙

【読者報告】林修氏への手紙

テレビ朝日の「グッド!モーニング」という番組のなかに、
「今でしょ!」の予備校のコマーシャルで有名な
林修氏がクイズ番組を主催している時間帯があります。
「林先生によることば検定」と題されて、放映時間としては朝の
6時45分頃からです。

日常つかわれる言葉の由来や正しい使い方を当てるクイズですが、
ここで林氏はよく広辞苑を引用しています。

広辞苑が最も権威がある辞書という判断なのでしょうが、
このようなイデオロギー的な情念に流されている辞書が
権威あるものとなっているのは望ましいことではなく、
広辞苑は適切な辞書ではないことを林氏に申し上げるべく、
以下の手紙をテレビ朝日気付で送りましたので
台湾の声購読の皆様に報告します。
直ちに反応があることは期待できなくても、林氏は愛国者と
思いますので林氏の心の片隅に広辞苑への疑念の声を届けることは
有意義と思いました。

 青山 登

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林修先生

 ここ数年、毎朝「グッド!モーニング」で先生の「ことば検定」を楽しく拝見しております。

さて、この番組ではよく広辞苑が引用されますが、現在の広辞苑は
辞書としての良識を欠いた見過ごせない箇所があり、適切な辞書とは
いいがたく、番組での引用される辞書は他社のものにしていただくなど、適切な配慮をご検討いただきたく一筆差し上げる次第です。

 辞書の編集者には自己の主観や好みに左右されないで、使用頻度や
巷間の解釈を厳正に測定し反映する自制心が要求されているものと思います。

 しかしながら、広辞苑には

①政治的な大国の主張を鵜呑みにした一方的な記載

②多くの人に知られている事実を知りながら故意に事実を切り捨てる行為をしている箇所があり、辞書としての資格に欠ける重大な箇所があります。

具体的には

1.「日中共同声明」

この項には、「日本は中華人民共和国を唯一の正統政府と承認し、台湾がこれに帰属することを実質的に認め」との記載があります。

しかし、もともとの声明文は、中国の言い分を「理解し尊重する」
というものです。理解し尊重するとは「あなたの言い分を
あげつらうことはしません」ということであり、中国の言い分を
認めていればこのような表現にはなりません。

現在の台湾との交流は中国に属さない政治実体を日本政府が認めて
いるからこそ成立しているものであります。
 これを認めない広辞苑のこのような記載は辞書とはいえない

プロパガンダであります。

2.台湾が中国の一省として記載されている「中華人民共和国行政区分」図

これは、中国が示している行政区分だからそのとおり載せたと
いうことだそうです。

こういった場合には異論を併記するのが本来の辞書のあり方で、
現に広辞苑の他の部分はそのような記載になっているはずです。
台湾が中国の一部でないことは、現に台湾政府がそのように
表明しており、日本国内でも多数の人々に知られていることであります。

これらの異論を併記しないのは、やはり広辞苑は辞書というより
プロパガンダだということでしょう。

こういった岩波書店の編集の方針には

・台湾への共感の欠如 

おそらくは、かつて共産主義による革命を「解放」と呼んだように
中国による台湾の「解放」を心情的に望んでいた情念の名残り

・強国へのおもねり 

中国に比べ圧倒的な国土・人口の差があるので、台湾への共感の欠如を
あからさまにしてもよいだろうという弱い者いじめの心
などが根底を流れているように思います。

  このような、方針で作成されたとしなければ説明できない辞書を
権威あるものとしては取り扱っていただかないことを切に望む次第です。

 
平成30年8月28日

   
  青山 登


台湾の声

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