【読者反響】放射線量規制値を世界標準に戻すべき

【読者反響】放射線量規制値を世界標準に戻すべき

『台湾の声』 御中

 いつも貴重な情報をありがとうございます。 
 4年前の大震災とこれに伴う福島原発事故の対応で当時の民主党政権が
 うった誤った政策に翻弄された時間が日本にとっては、もったいない時間
 のロスでした。
 
自民党政権になったのでこの誤りをいつ糺すのかと固唾を飲んで見守って
 きましたが未だに前政権の負の重荷を降ろしていないのは誠に残念です。
 即、安倍首相と茂木大臣は放射線量規制値を世界標準に戻すべきであった
 のです。
 
このたび貴研究会で出された報告書は国民の安全保障の上で非常に重要な
 提起です。特に『3 政治的判断で強制された食品中の放射能の基準を、
 前原子力安全委員会の指標による基準に戻すこと。』は迅速に対応しなけ
 ればならないと思います。
                          宇都宮市在住 坂田     

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【結論と提案】第一回放射線の正しい知識を普及する研究会

#1 Scientific Advisory Meeting for Radiation and Accurate Information
SAMRAI 2014結論と提案

 先月ご案内しました掲記研究会は、衆議院第一議員会館、国際会議場/多目的ホールに300名近い方々のご参加をいただき、盛況裡に終了いたしました。
会の結論と提案が次のようにまとめられ、関係省庁などに提出されました。
ご案内する次第です。

平成27年4月吉日 「放射線の正しい知識を普及する会」理事・事務局長 茂木弘道

SAMRAI2014 結論と提案

第一回放射線の正しい知識を普及する研究会・SAMRAI2014 が2015 年3 月24 日、日本国衆議院第一議員会館で、「福島の低線量率放射線の科学認識と20km 圏内の復興」を主題に開催されました。一般の人たち、科学者・技術者、報道、国会議員ら240 人が出席するなか、日本、アメリカ合衆国、英国から5 人の放射線科学の第一線の専門家が、次の論点で報告しました。

1 福島軽水炉事故の低線量に関する総括と20km 圏内の最新の科学データ

2 高線量だったチェルノブイリ黒鉛炉事故との比較

3 低線量率放射線の生物学的理解
放射線リスクの閾値なし直線LNT モデルの低線量域への適用の非科学の指摘
低線率放射線の人体へのプラス効果(健康増進効果)

4 低線量放射線が無害であるにもかかわらず、諮問機関にもとづき日本政府により行われている過剰な放射線政策の非科学的な問題点

5 これらの政策と誤解により社会が受けた大きな困難の克服のための社会教育の方策

6 他のエネルギー源に比べて核エネルギーの安全性の歴史的記録

7 科学的な知見に基づいた避難方針と事故を防ぐ措置により、福島第一原子力発電所による悲惨な結果を回避する方法本科学会議の結果、福島の低線量率放射線では住民に健康リスクがないこと、そして20km 圏内の復興の遅れや、放射線の誤った情報の広がりによる社会の混乱が、国際的組織により、日本とその政府組織のみならず、世界的に生じていることが確認されました。

科学報告の要旨は、各2 ページのエクステンデイッドアブストラクトSAMRAI2014 にあります。和文の本論文集は2015 年3 月に刊行されました。英語版の本論文集は続いて刊行される予定です。さらに会議に合わせて、3人の科学者の共著で図書「放射線ゼロの危険 -LNT モデルのもたらす世界危機の克服」が刊行されました。

SAMRAI2014 で報告した5 人の科学者は、日本および世界が正しい放射線の知識を得て、社会の混乱を終息させるために、次のことを日本政府へ提案いたします。

1 福島県民の低線量率放射線の事実と住民に健康リスクがないことの科学理解を、国内外へ普及するために、日本政府は最大限努力する。

2 全ての国民、そして特に福島県で強制避難している人たちに正しい放射線の情報と科学が届くように、科学講習が受けられる環境を整えること。

3 政治的判断で強制された食品中の放射能の基準を、前原子力安全委員会の指標による基準に戻すこと。

4 福島20km 圏内の放射線の線量の現実的な評価をするために、専門科学者および、あるいは放射線管理官が個人線量計を装着した形で、住民のように住宅に滞在したり暮らすことが許可されるべきである。

5 福島第一原子力発電所20km 圏内のブラックボックス化した状況をあらため、浪江町で継続する和牛の飼育試験の民間プロジェクト等の帰還へ前向きな取り組みを国としても認識し、支援すること。

6 福島第一原子力発電所20km 圏内の地震津波で破壊されたインフラの早期な復旧を実現し、帰還希望者の受け皿を整えること。

7 日本の原子力施設は適切な改善がなされた後、可能なかぎり迅速に再稼働されるべきである。

高田 純博士 札幌医科大学教授、SAMRAI2014 プログラム委員長
モハン・ドス博士 フォックスチェイス・キャンサー・センター准教授
服部禎男博士 元電力中央研究所理事
中村仁信博士 大阪大学名誉教授
ウエイド・アリソン博士 オックスフォード大学名誉教授

2015 年3月24日

注:
1 SAMRAI: The Scientific Advisory Meeting for Radiation and Accurate Information
2 当初2014 年12 月 3 日に準備していましたが、総選挙が急きょ実施されることになったため、翌年の開催に延期されました。

「SAMRAI2014」大会会長 有馬朗人
「放射線の正しい知識を普及する会」 会長 渡部昇一
「放射線の影響を科学的に検証する議員連盟」 代表 平沼赳夫


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