【西村眞悟】安保法案と拉致被害者救出問題が議員の本質を暴く

【西村眞悟】安保法案と拉致被害者救出問題が議員の本質を暴く

西村眞悟の時事通信より転載

 安保法案が衆議院を通過した。
 しかしこれは、極めてローカルなことである。
 ある意味で、恥ずかしくて世界に見せられない。

 しかし、
 安倍総理が、一年前に集団的自衛権行使を明言したことを高く評価する。
 世界は、ここを視ている。
 何故なら、安倍総理は、自衛隊の最高指揮官であるからだ。
 つまり、世界は、日本のラインを視ているのだ。

 そのラインとは、
 最高指揮官(総理)→統合幕僚長→陸海空の軍司令官→実戦部隊

 という、最高指揮官の決意を実戦部隊にまで貫徹するすっきりとしたラインであ
る。
 これをシビリアン(総理)・コントロールのラインという。
 このラインの最高位の安倍総理が、
 四月二十九日、アメリカの上下両院で演説したから彼らは拍手喝采したのだ。

 衆議院における議論、それは別の次元である。

 まず、一年前から、与党の自民党と公明党が、集団的自衛権の限定行使つまり限定
不行使、について、
 延々と、その分類の議論を続けた、
 存立危機事態だとか重要影響事態だとか。
 そこで言っておく、
 我が国には、統合情報収集機関がなく、
 緊急時にどういう事態かを咄嗟に判断する為の情報収集能力がないのだ。
 従って、造語だけが先行した。こっけいな議論ではないか。

 そして、法案が衆議院に提出されて、
 その与党内の訳のわからん議論の上に(下に)、
 野党の訳のわからん質問が重ねられてきたというわけだ。
 憲法九条に違反とか、戦争になる、とか、徴兵制になるとか。馬鹿馬鹿しい。
 その果てに、委員会室では野党議員がテレビカメラに向かって「反対」のプラカー
ドをかざして騒いだ。

 斯くして、集団的自衛権の限定行使・限定不行使の法案が衆議院を通過した。

 四月二十九日に、安倍総理の演説に立ち上がって拍手したアメリカの上下議員に、
 「限定不行使だよ」と言えば、
 「それは何だ、意味が分からん」と絶句するだろう。

 その通りだ、意味が分からん。

 いやしくも、我が日本は、
 命にかえても守るべき誇りある国である、
 そして我が国民は、
 命にかえても守るべき大切な同胞である、

 その為の自衛権に、限定行使も限定不行使も、へっちゃくれもあるか。

 国と国民を、守るために、救うために、必要なことは総てやる。
 これが独立自尊の国家ではないか。

 そこで言っておく。
 特に、あのテレビカメラにプラカードを掲げて委員長席に詰め寄る
 わざとらしい委員達の顔を見たとき、
 腹が煮えくりかえった。

 こいつら、国を守る、同胞を助ける、このことを何も考えていない。
 こいつら、北朝鮮シンパではないか。中共の代弁者か。
 こいつら、同胞である拉致された被害者救出に取り組むどころか、
 当初は、拉致はでっちあげと非難し、それからは無関心を装い、朝鮮総連を支援
し、
 拉致被害者救出の足を引っ張っている輩である。

 野党だけではない、与野党とも、この法案に関わってきた者には、
 最も切実な、拉致被害者を如何にして救出するのかという問題意識も使命感もな
い。

 驚くべきことに、いやしくも国の安保法制の議論で、これだけ長時間にわたり、こ
れだけ騒いで、
 拉致被害者救出という国政最大の緊急課題が出てこなかったとは何事か!

 拉致被害者救出という緊急課題を分別基準にして与野党の安保法案関与議員を見
レ、
 彼らは見事に、
 超党派の「反拉致被害者救出グループ」である。
 何ということだ、この国政の劣化は!


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