【蔡焜燦先生さようなら】心優しき不撓不屈の闘士
山田智美
蔡先生に会ったことのある、あるいは著書を読んだことのある日本人は、その魅力的な人柄に接して、全員もれなく蔡先生のファンになり、台湾のファンになり、日台友好・台湾独立のサポーターとなったのではないでしょうか。
「日本人であることに誇りを持ちなさい」というメッセージを送り続けてくれた蔡先生。
それは私達日本人にとって、大きな励ましであると共に、日本人の名に恥じない日本人にならなければ、という戒めにもなってきました。
馬英九が蔡英文を破って総統に再選した2012年、「俺は絶対死なないよ。4年後にあいつが倒れるのを見るまでは」と言っていた蔡先生。
王明理台湾独立建国聯盟日本本部委員長が追悼文で書いていたように、少なくとも人前では落胆した様子を見せなかったのだと思います。
深い落胆をより強靭な闘志に変え、他者をも感化してしまう蔡先生の強烈なエネルギーと深い知恵に、ただただ驚くばかりです。
そして本当にその言葉のとおり、蔡英文総統の誕生を見届け、長い闘いを終えて天国に旅立たれました。
台湾在住時、蔡先生ご夫妻のタクシーに同乗させていただく機会が度々ありました。
専属車は持たず、いつも流しのタクシーを止め、運転手さんと世間話をし、下車する時には必ずねぎらいの声をかける蔡先生。
真の優しさと真の強さなのだと感じます。
蔡先生さようなら