【産経抄】「開戦前夜」といっても過言ではない

【産経抄】「開戦前夜」といっても過言ではない

2012.9.15産経新聞[産経抄]

 いま上海は異様な空気に包まれているという。道を歩いていただけで、ラーメンをぶっかけられたり、飲食店で殴られたりする日本人が続出している。小欄の友人も「おまえは日本人か」と路上で聞かれ、とっさに「シンガポールからきた華僑です」と英語で答えて難を逃れたとか。

 ▼いよいよ中国が、本気で尖閣諸島を奪おうとしている。6隻もの海洋監視船が尖閣諸島沖に襲来し、日本領海を侵犯した。近く漁業監視船が漁船を伴って大挙して尖閣周辺に押し寄せ、一部は不法上陸するとの情報さえある。「開戦前夜」といっても過言ではない。

 ▼野田佳彦首相は「緊張感を持って警戒監視に万全を期してほしい」と指示したが、あきれた。島を死守している海上保安庁や上空からP3Cで監視している自衛隊の面々は、常に緊張感をもって仕事をしてきた。緊張感がないのは、3代続いた民主党政権の首相をはじめとする幹部連中だ。

 ▼東アジア共同体を夢想した鳩山由紀夫元首相は論外としても、ど素人の商社会長を中国大使にした罪は万死に値する。大使車の日の丸をひきちぎられても泣き寝入り同然の対応しかできなかったのは、日本人の恥だ。

 ▼首相は、挑発行為を続ける中国政府に抗議して無能大使を召還すべきだ。同時に満州事変の発端となった柳条湖事件記念日(18日)の前に、中国への渡航延期勧告を出す必要がある。

 ▼各地で大規模な反日デモが予想され、ラーメンをかけられるだけでは済まぬかもしれぬ。上層部が腐敗し、貧富の格差にあえぐ人々の怒りの矛先を中国共産党は、日本に向けさせようとしている。そんな火中にわざわざ飛び込む必要はない。3連休は日本でゆっくり、が一番だ。


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