〔2014.2.27 14:00 配信〕
私も日本公開を待ち望んでいますが、大阪アジアン国際映画祭の開幕作品として、3
月7日に日本上陸が決定しています〔2月10日付け本誌記事参照〕。
ただ、入場券は既に完売とのことです。
参考サイト:http://www.oaff.jp/2014/ja/program/lineup/s01.html
好田良弘
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【NEWS】映画『KANO』が明日より台湾で一般公開
台湾の声 2014.2.26
デビュー作『海角七号』がいきなりヒットし、『セデック・バレ』で世界を驚かした魏徳聖監督が、今回はプロデューサーとして、Umin Boya(馬志翔)監督とともに送り出す『KANO』が明日より台湾で一般公開される。 Umin Boya 監督は、セデック族の血統であり、『セデック・バレ』に出演して、 アジア・フィルム・アワードの助演男優賞を獲得している。
『KANO』は、嘉義農林学校の野球部の物語。一般公開に先立って、24日、台北の西門町で、先行上映会が行われ、魏徳聖監督や「部員」たちも舞台に立った。
この上映会を主催した謝長廷氏は、「台湾の歴史は、我々を取り巻く“状況”のために、あまり伝えられてこなかった。私たちは台湾の歴史を取り戻したい」と挨拶し、満席の会場から拍手を受けた。
李応元氏や[女兆](よう)文智氏などの議員も姿を見せた。
物語は、負けてばかりの嘉義農林学校の野球部が、松山商業学校出身の近藤兵太郎(永瀬正敏)の指導の下で育っていき、甲子園で戦うまでの過程を描いたもの。
嘉義にある農業の学校ということで、八田与一(大沢隆夫)が嘉南大圳(かなん・たいしゅう)を作り上げる過程も描きこまれている。
台湾が持つ長所とは何か、負け続けていたチームが勝つためには何が必要だったのか?台湾が、そしてすべての社会が「木瓜(もっか、パパイヤ)を大きく実らせる」ための答えがここにある。
単なる野球チームの成長物語としても楽しめる。野球が国民的なスポーツであり、日本への関心も高い台湾で、ヒットは間違いない。
なお、近藤兵太郎と妻(坂井真紀)が見せる夫婦のあり方も、台湾では関心を集めているようだ。
時代背景等の関係で、台詞は大部分が日本語であるのみならず、その中で描かれる、ある種の日本精神も、日本人が見て違和感のないもの。台湾の言語は、台湾語(ホーロー語)、原住民語(選手にアミ族がいるという設定なのでアミ語か)、客家語が使われている。「日本時代」に蓋どころか否定すらしたい現政権を吹き飛ばすくらいのヒット、いやホームランを飛ばして欲しい。日本公開が待ち望まれる。
実は、この上映会を主催した謝長廷氏が、2008年に民進党から総統選挙に出馬した際のキャッチフレーズが「逆転勝」(逆転勝利)。日本留学組でもある謝氏にとって、この作品に愛着を持つなと言うのは無理な相談である。
(文・多田恵)
映画『KANO』日本語版フェースブック
https://www.facebook.com/Kano.japan