日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」より転載
【本会ホームページ「お知らせ」:2016年3月21日】
http://www.ritouki.jp/index.php/info/20160321/
台湾紙・蘋果日報は3月20日夜、スクープとして5月に発足する蔡英文政権の駐日代表に、民進党
重鎮で京都大学出身の謝長廷・元行政院長が決まったと報じた。
報道は午後11時すぎ(台湾時間)、蘋果日報のウェブサイトに掲載されたもの。複数の台湾メ
ディアや時事通信、日経新聞など日本メディアも蘋果日報を引用するかたちで報じた。
ただ、自由時報や中央社は、謝長廷事務所主任による「噂の段階ではコメントできない」という
発言も報じている。
謝氏は1946年生まれの69歳。台北市出身で台湾大学法律系在学中に司法試験合格。京都大学に留
学し修士号を取得。美麗島事件の弁護を担当したことで政界入りし、1986年、民進党結党の際の中
心メンバーとなる。陳水扁政権で行政院長を務め、2008年の総統選挙に出馬したものの、国民党の
馬英九に敗れた。
下記に蘋果日報の報道要旨を翻訳したものを紹介する。
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【独占】新政府の駐日代表に謝長廷氏
新しく発足する蔡英文政権の人事にまた進展があった。
ここ最近、蔡英文・新総統が駐日代表に謝長廷・行政院長を任命する意向がささやかれていた
が、弊紙(蘋果日報)が入手した最新の情報によれば、謝氏は今月中旬、すでに自ら蔡氏に対して
受諾する旨を伝えたといい、蔡氏もまた先週中に謝氏の駐日代表内定にゴーサインを出したとい
う。謝氏は行政院長を経験した初めての駐日代表となる。
消息筋によれば、謝氏は先週、駐日代表の候補として名前が取り沙汰された際には淡々としてお
り、複数の側近に対して「考えられない」と漏らすのみだったという。
ただ、数日後には自派閥のメンバーに駐日代表を受ける意向を漏らすとともに、口外しないよう
求めたという。
奇しくも謝氏は16日に更新したフェイスブックに「最近、(英語版の他に)日本語版も開設した
ほうがいいとアドバイスしてくれた人がいたのですが、労力が限られており、軽々しく始めるわけ
にはいきません」などと書き込み、18日には日本から進出したラーメン店での写真を掲載したこと
から、ネット上では「謝氏が新しい駐日代表なのでは」と話題になっていた。
民進党関係者によれば、蔡英文氏が着目したのは、謝氏自身の意向や日本の政界との人脈のほ
か、謝氏がかつて提案した「憲法コンセンサス」による両岸政策が日本側にも受け入れられやすい
のではないかという点だった。
さらに、昨年の蔡氏の訪日の際には、国家安全会議の邱義仁・元秘書長が水面下でバックアップ
しており、謝氏の駐日代表決定には邱氏の同意も必要だろうと話している。
また、日本事情に詳しい別の関係者によれば、日本の政界では謝氏が駐日代表になることを非常
に期待しているという。
日本留学経験者で流暢な日本語を話すほか、日本の政界との関係も良好であるうえに行政院長経
験者であること、蔡英文氏と直接話せる立場にあることなど、謝氏を駐日代表に据えることは新政
権が日本を重視していることの表れだとしている。