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「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)
日本政府は尖閣諸島を20億5千万で地権者から購入し、国有化する意向を9月3日に表明した。この決定が石原慎太郎都知事による東京都の尖閣諸島購入表明前であれば賞賛すべき決断だが、今回の国有化の動きは東京都所有への妨害でしかない。
石原都知事は尖閣を購入して整備する意向だ。それは今まで国による中途半端な「実効支配」から、本物の実効支配に転じる大変な英断である。だからこそ、短期間で国民から14億5千万に上る購入資金が集まったのだ。
それに慌てた中国が石原知事を口汚く罵り、日本政府にも圧力をかけてきた。8月28日付けの時事通信の記事によると、中国政府は尖閣諸島をめぐり、日本政府に対して(1)上陸させない(2)(資源・環境)調査をしない(3)開発しない(建造物を造らない)―の3条件を策定し、現状維持を求めていく方針に内部決定したという。なぜなら、東京都が尖閣諸島を購入した場合、現在の隙だらけな「実効支配」から本物の実効支配になるからだ。
中国は東京都の尖閣諸島取得を阻止するために、日本政府に「国有化して現状を維持しろ」と伝えてきたのだ。更に日本政府が尖閣諸島国有化を正式に決定する際、中国は反対声明を出す抗議にとどまるが、日本が上記の三条件を守らない場合は「強硬措置」をとると脅した。まるで暴力団である。
主権国家であれば、自国の領土の扱いで他国の指図を仰ぐはずもないのだが、日本政府は早速中国様の指示通りに動いた。そして提示した金額は20億5千万円と東京都に集まった購入資金を上回っている。まさにこれは金にものを言わせる中国的なやり方なのだ。まことにいやらしい。そこまで中国様から細かい指示を受けているのかと疑いたくなる。
主権とプライドをそっちのけ恐喝に屈し、金で人を堕落させる。
これが日本という国なのか?