「甲子園百周年大会に台湾代表参加を実現する会」 札幌市 海原 創
2018年8月、全国高校野球は百周年の記念大会を迎える。
全国高校野球連盟(高野連)の関係者によれば、この記念大会は過去百年間に出場したすべての学校関係者に祝福されて成功させねばならないと希望しているそうである。ここに言うすべての出場校には戦前の台湾をはじめ満州、朝鮮からの代表校も含まれる。その中でも台湾代表が活躍した華々しいページはいまも我々の記憶に新しく、数年前に制作され上映された映画「KANO」の衝撃もあって、甲子園の歴史を語るとき台湾代表の部分を避けて通ることは不可能である。その責任ある高野連は、来る百年記念大会に台湾代表の招致を決して忘れてはならないのである。もし台湾代表の参加が実現しない場合、光輝ある甲子園大会の歴史に大きな欠陥と汚点を残す結果を招くからである。
上記の理由にてわれわれ有志は、昨年来高野連をはじめ戦前台湾代表と強いきずなを築いてきた松山商業、中京商業、札幌商業など名門校に対して台湾代表の参加を実現すべく尽力されるよう呼びかけを続けてきた。その結果、本日まで台湾と交流の深いいくつかの地方自治体や在日台湾人、台湾野球関係者から力強いご支持を賜っている。ただ、責任ある高野連は台湾代表招請を未だ実感として把握していない。台湾と日本の試合をあくまで国際試合と心得ているからであろうか。満州は滅び、朝鮮半島は混乱が絶えない中、台湾こそは戦前から培った日本の野球精神と技術の向上に励み、日本のいかなる高校と比較しても遜色なく、甲子園出場に十分すぎる条件を整えている。
台湾と日本は自由と民主主義を共有する極東の要に位置し、戦後一貫して政治、経済、文化を共有する立場に変わりなかった。これらの親密な関係が将来長きにわたって維持向上されるには、旧世代が苦心して育てた絆の上に両国の青少年が確固たる友情と信頼関係を築いてゆけるような環境を整えることが重要である。それこそまさにスポーツ・文化の交流を促進することに外ならない。
台湾の高校代表が甲子園百年記念大会に日本国内からの各代表と同じ条件で分け隔てなく参加することは、単なる野球ゲームを超えて両国が共同体を築く上できわめて意義あることと考えねばならない。
ここに両国の野球関係者をはじめ台湾各地との姉妹都市関係者、心ある有志が一体となって明年に迫った記念大会にはぜひ台湾代表の参加が実現するよう高野連に働きかけようではないか。
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台湾の声