台湾の声編集部
本誌でも報じたように、蔡英文総統が外遊先のツバルで「台湾人も南島語族(オーストロネシア語族)」と発言し、中国と台湾の親中メディアの猛攻撃を受けた。台北市のマッケイ(馬偕)病院で長年台湾人の血液とDNAの研究を行ってきた林媽利医師らによって、「台湾人は台湾原住民族との混血であり、血統的に漢民族ではない」と科学的にも証明され、文化人類学的にも台湾原住民族はオーストロネシア語族に属するとの説が定着している。
中国も国民党も、台湾人は血統的に漢民族であるから中国人と同胞であり、周辺の少数民族や他民族をもひっくるめて大中華民族として統一されなければならない、というプロパガンダを繰り広げてきた。そのプロパガンダをまともに信じこまされたのが、台湾の原住民である。これに、地方公務員、警官、教師、軍人から成るエリート層への国民党の浸透により、統一思想は「村の掟」となり、「党外(国民党員ではない者)」は排斥され、漢民族とまったく異なる顔立ちでありながら、「我々中国人」と話すようになってしまった。ちなみに、原住民は、ホーロー系を「台湾人(平地人とも称する)」、客家系を「客家人」、外省系を「外省人」、自分たちをそれぞれの民族の名、あるいは総称として「原住民」と呼称する。
文字を持たない民族は他の民族の文字を使うしかなく、その文字を媒体とした教育や行政によって、やがては思想や文化まで同化されてしまう。林媽利医師は、実は中国人のほとんども漢民族ではないことを研究で明らかにしている。かつて漢民族が優勢な時代において、漢字を使わなければ生き残ってゆけず、漢字を使っているから漢民族だと信じこんできただけだというのだ。
日本時代には日本人、国民党時代には中国人と、自らのアイデンティティーを他者から押しつけられてきた台湾原住民は、為政者に命じられるままに、純粋に「忠君愛国」であり続けてきた。世代間のギャップを抱えながらも、自らのアイデンティティーを模索している。
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