【台湾の「みじめさ」】ネパールが台湾救援隊を拒否

【台湾の「みじめさ」】ネパールが台湾救援隊を拒否
                     
      台湾独立建国聯盟日本本部 委員長 王 明理

ネパールで4月25日に起きた巨大地震で、死者数は4千名を超えたと伝えられている。各国から支援の手が差し伸べられているが、台湾からの救援隊派遣はネパール政府から拒否された。隣国中国への配慮からであろう。

ネパールだけではない、日本もネパール同様、中国の顔色を見て、台湾を冷遇してきた。
2011年の東日本大震災の際、台湾からの救援派遣部隊は一応受け入れられたものの、実はいち早く到着したにも関わらず足止めされ、中国隊が到着したあとで、現地入りを許された。日本政府の中国への配慮からであった。日本政府(民主党政権)は緊急事態の場合も、被災者の生命より、中国の顔色を優先したのだ。

そして、台湾から200億円を超える義援金や物心両面からの多大な支援が送られたにも関わらず、一周年追悼式典で、台湾代表(大使)は各国大使が座る来賓席ではなく、一般席に案内され、指名献花からも外された。

 人道支援の善意に対しても、このような拒絶を食らう台湾の「みじめさ」はどこから来るのか。それは、「中華民国」の政治を運営してきた国民党の失敗のツケに他ならない。
1972年に中華人民共和国が国連に加盟すると決まった時、一般議席に留まる選択肢もあったのに、蒋介石政権は国連を脱退した。台湾人の為を思わず、自分の面子の為であった。
もしあの時、日米の助言を受け入れて、「中華民国」の名前を外し「台湾」として国連に残る道を選んでいれば、あの当時、中共も文句を言えなかったはずだし、今日の台湾の立場もいまほど「みじめ」にはなっていなかったはずだ。

以後、今日に至るまで、台湾(中華民国)は国際機関からは締め出され、主要諸国との外交関係も絶たれて、世界の孤児となっている。世界の195か国の中に、台湾はカウントされていない。2300万人の台湾人は、世界に存在しないことになっている。
この異常事態を正常化することが、何よりも優先されるべき課題である。

国民党は過去の政治の大失敗を反省せず、いまだに「自分たちこそ、中国とうまくやっていける政党だ」と有権者にアピールしている。中国は「台湾併呑」を国家目標に掲げている国である。その国と協力して、なし崩し的に統一への道を開いてきた馬英九政権の大罪に対し、台湾人はもっと怒るべきである。また、それを咎めず、反省しない国民党の本質に見切りを付けるべき時がきている。

本来持っている台湾人の優秀さや良識を国際貢献に使うことさえ拒否されている現実を、台湾人は直視し、台湾の将来を委ねられる政治家を選ぶことが重要である。
一日も早く台湾が正常化されるように願ってやまない。


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