『台湾の声』2015.7.5 8:00
ひまわり学生運動から生まれてきた第三勢力であり、「国民党が倒れなければ、台湾は良くならない(国民党没倒、台湾就[勿会]好)」のスローガンを広めた「基進側翼」のスポークスマン・顔銘緯氏が東京を訪れた。顔氏は現在19歳で、高雄にある中山大学の学生でもある。顔氏3日(金曜日)は早稲田大学の台湾人留学生の勉強会「ナサン・マグ」で学生同士で交流を行い、4日(土曜日)には、在日台湾同郷会、在日台湾婦女会、日本台湾医師連合が主催する「顔銘緯さんと語る会」に出席した。
この「顔銘緯さんと語る会」は、新宿歌舞伎町の台湾料理・青葉の広いフロアを貸し切って行われ、作家の黄文雄氏、台湾独立建国聯盟日本本部の王明理委員長をはじめ小林正成、連根藤、張国興の各氏、在日台湾同郷会の郭孫雪娥・前会長、三宅清子氏、梶山憲一氏を含む約60名が出席した。
顔銘緯氏は、180センチの長身で、読書が好きだという好青年。昨年の9月に馬英九氏にジョージ・H・カー著『裏切られた台湾』をぶつけたことで一躍、時の人となった。
顔氏は、台湾語でスピーチを行った。基進側翼の基本的な主張として、1.主権の自主化、2.政治の民主化、3.社会の自由化、を掲げた。それぞれ、「台湾は台湾人の国である」、「国民党の不法な党資産を台湾社会が奪還することを含む正義の移行を行う」、「軍公教に対する優遇の問題などを解決し、社会の公平と正義を図る」ことなどである。印象的だったのは、「国民党の無い国家を打ち立てる(打造無国民党的国家)」という言葉だ。
1月の総統選挙で、グリーン陣営が国会の過半数を占めたとしても、民進党の対中姿勢は、台湾社会が感じている中国資本の浸透などの危機感とは距離があるため、「深緑」の勢力が「緑」である民進党と政策を競うことが必要だという。顔氏は、国民党を追放し、「緑」と「深緑」の間で政権交代が行われるようにしたいと語った。
そのために、「2016討党産公投連署運動」と銘打って、国民党が不正に取得した党産を全国民に返還するよう定める法律制定を促す公民投票(国民投票)を行うための運動をしている。
基進側翼は2014年末の九合一選挙ではそれなりの得票を得たが、2016年1月の立法委員選挙には候補者を立てず、ひたすら、この公民投票実現のための署名を集めている。第一段階は10万の署名、第二段階は100万人の署名が必要だという。
これまでに台湾団結聯盟が積極的に協力し2万票を集め、民進党もやっと正式に協力することが発表された。署名用紙の印刷だけでも費用がかかる、という苦しい台所事情も吐露した。「2016年の総統選挙は、立法委員選挙と同時に行われるが、それにもう1枚の票(公民投票)を加えたい。」とが顔氏は語った。
せめて、台湾で選挙権を持っている人はぜひ基進側翼の「2016討党産公投連署運動」に協力してほしい。
基進側翼が呼びかける「2016討党産公投連署運動」のホームページ
http://2016kongtau.blogspot.tw/p/blog-page_2.html
スピーチの後、白熱する質疑応答が行われ、若い顔氏の力強い答えを聞いた出席者は、「台湾の希望だ」と語り合った。閉会が近づくと、出席者たちは、競って、顔氏と記念写真を撮った。御婦人方の熱烈な支持のみならず、在日台湾人運動の男性リーダーたちの強い期待も感じられた。
(執筆:多田恵)
参考資料
「ナサン・マグ」での交流の記録(文字記録あり。漢文)
http://tokyongasan.blogspot.jp/2015/07/26-2016.html
「顔銘緯さんと語る会」の写真(フェースブック)
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1104089332937821.1073741829.606958152650944