本稿は3月5日記。ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-1078.html
二月十八日都内で開催された『シナ人とは何か―内田良平の『支那観』を読む』
(展転社)の発刊記念シンポジウムは、大勢の人が参加して盛況だった。この本
は大アジア主義運動のリーダーだった黒龍会の内田良平が中国人の民族性を詳し
く分析して見せた戦略的意見書「支那観」の本文とそれの解説で構成される内容
だが、これが話題になった原因は、やはり同書の広告の掲載をマスコミ各社が拒
否したことにあろう。
「シナ」「支那」がいけないと言うのだ。だがこれは民主主義社会では大問題に
すべきである。何しろ中共に配慮するために自国内で行う言論の自由の封殺以外
の何物でもないからである。
だからこの日のシンポでは、「シナ人とは何か」を語る前に、中共の情報工作下
で進行する、こうした戦後日本における言論規制に関する発言が相次いだのだが
、進行役が藤井厳喜氏だったため、この問題では「話が弾んだ」。
なぜかと言えば藤井氏は先ごろ、自著『NHK捏造事件と無制限戦争』を刊行するに
際し、何らかの外圧を受けた版元により、直前になって出版が中止されている。
つまり中共の情報戦を暴こうとして、その前に情報工作にまんまとやられてしま
ったとの実体験があるからである。
私もパネリストとして登壇し、日本社会では台湾を「国」と呼ばない自己規制が
あり、その規制の背後に、台湾併呑を目指す中共の情報工作、言論統制工作が存
在することを指摘した。
こうした中共の「無制限戦争」は本当に進行中なのだ。だからあの日のシンポは
実に有意義だったと思うのだが、その後の下記の事件も「戦争」の一環だろうか
。その舞台は動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」だ。
動画を用いて情報を国内外に発信するのを得意とする藤井氏は、シンポに先立つ
十六日に、「二月十八日『シナ人とは何か』シンポジウム開催の御案内」と題す
る動画をそこでアップ。自ら本を手にしてシンポの意義を語り、参加を呼びかけ
たのだが、これが三月三日になって、削除されてしまったのだ。
削除の理由は「不適切なコンテンツ」だからと言うものである。藤井氏サイドは
ユーチュ−ブから次のような警告を受けた。
「スパムは迷惑行為です。動画の再生回数を増やすことを目的とした、誤解を招
く説明、タグ、タイトル、サムネイルは許可されません」
「不特定多数に向けたコンテンツ、不要なコンテンツ、繰り返し部分の多いコン
テンツ(コメントやプライベート メッセージを含む)を大量に投稿することはで
きません」
いったいあれのどこが「スパム」「迷惑行為」だと言うのだろうか。間違いなく
問題視されたのは「シナ人」の言葉だが、これを複数の人々が「スパム」だと報
告し、ユーチューブがこの誤情報を受け入れ、言論統制で手を汚してしまったと
言うわけだ。
「シナ人」が「中国人」だったら、こうはならなかったのではないか。
この「複数の人々」の後ろに中共の操作があるかどうかは知らない。しかし今回
明らかになったユーチューブの媒体としての脆弱性を、サイバー戦に国力を傾け
る中共が知らないわけがないだろう。
藤井氏は自身のブログで「YouTubeの運営会社には、少なくとも公開否定の判断基
準を明らかにするようにリクエストしたい」「事前の警告すら無いというのは大
きな問題であろう」と訴えるとともに、「これは、『言論サイバーテロ』を許容
するシステムとなりかねない」「言論の自由を否定するような政治勢力、特に独
裁的な権力に操られた勢力に、YouTubeが屈するならば、それはデモクラシーと言
論の自由への裏切り行為とすら、なるであろう」と警告している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
藤井厳喜オフィシャルブログ
シナ問題:「脅かされる言論の自由と言葉狩り」― 情報戦争最前線(1)
http://www.gemki-fujii.com/blog/2010/000580.html