靖国神社に侵入、けが負わせた容疑…台湾の女性国会議員書類送検
産経新聞 8月11日(木)1
靖国神社(東京都千代田区)で2年前、台湾先住民らのデモ隊が神社内に侵入し抗議活動を行った問題で、警視庁公安部と麹町署は11日、傷害、威力業務妨害、礼拝所不敬などの疑いで、デモ隊を先導していた台湾の高金素梅・立法委員(45)を東京地検に書類送検した。送検について「行為は悪質で暴力的。厳重処分を求める」などとする意見をつけた。
立法委員は台湾の国会議員で、外国の国会議員が書類送検されるのは異例。高金委員は台湾在住のため、公安部では今後、関係機関と対応を協議する方針。
送検容疑は平成21年8月11日午前9時35分ごろ、靖国神社に台湾出身の戦没者らの分祀を求める抗議活動を行うため、境内に先住民の男女らとともに侵入。制止した職員らに暴行を加え、男性職員(28)の小指に靱帯損傷のけがを負わせるなどしたとしている。
公安部によると、高金委員らは神社内で一般参拝客もいる前で、太鼓をたたいて騒ぎ、「先祖の霊を返せ」と怒鳴るなどしたという。
この問題をめぐっては、元衆院議員の西村真悟氏らが告発するなどしており、警視庁が捜査。今年2月にプライベートの旅行で来日した高金委員に任意の事情聴取も要請したが、「終わったことだから関係ない」などと拒否されたという。
公安部では、ほかのメンバーの特定ができなかったため、高金委員だけを立件。ただ、台湾在住のため逮捕は見送られた。
高金委員は台湾の原住民族出身の元女性タレント。2002(平成14)年から立法委員を務めており、現在3期目。14〜21年に5回にわたって、靖国神社周辺などで台湾出身者の合祀撤回を求め騒ぎを起こすなどし、「祖先の霊を取り戻す」と儀式を行うなどもしていた。
また、17年に大阪高裁で違憲判決が出た小泉純一郎首相の靖国参拝をめぐる訴訟では原告団長を務めた。