【来信】「ミュンヘンの教訓」を忘れるなー真に学ぶべき歴史とは

【来信】「ミュンヘンの教訓」を忘れるなー真に学ぶべき歴史とは
「台湾の声」【来信】「ミュンヘンの教訓」を忘れるなー真に学ぶべき歴史とは

作者:好田良弘

 中韓による「歴史認識」攻勢は止まらず、残念ながら一部の欧米世論も同調の気配を見せている。ならば、真に日本が学ぶべき「歴史の教訓」とは何か。

 昭和史を振り返ると、防共協定を軍事同盟に発展させるドイツ提案を検討していた平沼騏一郎内閣は、当のドイツが、防共協定の対象国であるソ連と不可侵条約を締結した事態に驚愕し、有名な「欧州の天地は複雑怪奇なる新情勢を生じた」の言葉を残して総辞職した。

 しかし、その後の近衛文麿内閣で外相に就任した松岡洋右は、こうした経緯にも関わらず、日独伊にソ連を加えた軍事同盟で米国を牽制することにより、日米戦を回避できると考え、ヒトラー、スターリンとも会談している。ところが、その後の独ソ開戦により松岡構想は破綻し、米国の対日姿勢をさらに硬化させた三国同盟だけが残り、日本は対米戦に突入した。

 さらに、終戦時の日本は、独ソ両国に翻弄され続けた対米戦突入までの経緯にも関わらず、日ソ中立条約を頼み、ソ連に対連合国講和の仲介を依頼した。しかし、既に対日参戦を決定していたソ連に再度翻弄され、満州や樺太、北方領土が蹂躙される辛酸を舐めた。

 こうした歴史から、現代の日本人が学ぶべきは、「付き合う相手を選べ」という教訓である。しかし、対米戦突入までの経緯を「軍の暴走」と単純化していては、この教訓を学ぶことは出来ない。

 さて、付き合う相手を選ぶべき現代の日本には、権力者が率先して財産や親族を海外へ移している、つまりは自分が率いる国を信用していない中国や、二人の元大統領を事後法で獄に繋いだ記憶が新しい、つまりは法治が怪しい韓国は、日本の方から歩み寄ってまで、付き合うべき相手であろうか。

 一方、一部の欧米世論、あるいはこれに便乗する日本国内の一部世論は、一方的な中韓の攻勢に対して受け身であり続けた日本が、反撃姿勢を見せ始めたことが摩擦の原因であると懸念しているようだ。しかし、欧州近代史には「ミュンヘンの教訓」がある。
「ミュンヘンの教訓」とは、ヒトラーが台頭しつつあった時期、当面の摩擦を忌避した欧州諸国の宥和策が、却って、その後のドイツの進攻を誘発し、欧州大戦に至ったと見る歴史認識である。

 欧米、特に同盟国である米国の世論には、この教訓を思い出し、当面の摩擦を回避することだけが、歴史の検証に耐え得る判断ではないことを再認識していただきたい。

〔2014.2.27受付、2014.3.2配信〕

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