未曾有の戦死者を出した「太平洋戦争(大東亜戦争)」が終結し、73年という長い歳月が過ぎ去りました。子孫を残すこともなく無念を呑み込んで亡くなっていった日本の若者は実に200万人を超えました。
ここバシー海峡は、台湾とフィリピンの間に横たわり、日本にとっては今も昔も変わらぬ生命線とも言える重要な航路です。
潜水艦による「群狼(ぐんろう)戦法」をとったアメリカは、このバシー海峡付近で、南方に向かう日本軍の輸送船の多くを魚雷によって沈没させ、日本軍から“魔の海峡”“輸送船の墓場”と恐れられました。
その結果、この海での戦没者は「およそ10万人」とも「20万人以上」とも、一説には「26万」とも言われています。いまだ正確な数はわかっていませんが、おびただしい数の同胞がこの海で散華したにも関わらず、現代日本人でこの惨事を知るものは僅かしかいません。
そんな中、バシー海峡の惨事を知る人々の間で、2015年の戦後70周年を機に、この忘れ去られた戦没者を盛大に慰霊しようという声が澎湃(ほうはい)として沸き起こってまいりました。
そこで、私ども台湾在住の日本人を中心にボランティアメンバーが集まり、日本、台湾の各団体が続々と協力を表明してくださり、短期間のうちに200名近くの方が慰霊のために集ってくださいました。
この戦後70周年記念の慰霊祭では公益財団法人交流協会台北事務所(現在は名称変更により公益財団法人日本台湾交流協会)代表 沼田幹夫様より弔辞を頂戴しました。バシー海峡の戦没者に対し、日本国窓口機関の代表の方が参拝されるのは、戦後70年で初めての快挙でした。忘れ去られた戦没者がお国から認められた瞬間でした。
この慰霊祭をきっかけに、ご参列されたご遺族をはじめ、メディアでも多くの報道がなされたことで日本の皆さまからも、「是非慰霊祭を継続して斎行して欲しい」という要望が数多く集まってまいりました。
そこで、私ども実行委員会を再結成させ、ご要望がある限り、この慰霊祭を毎年定期的に斎行していくこととし、今年で8回目となります。
77年前に終結した戦争で命を落とし、現在の日本の礎となった日本の兵士たち。私たち後世の人間は、そのことに感謝し、頭を垂れ、そして戦没者たちの無念に対して、思いを馳せなければなりません。それが、戦没者たちの霊を慰める唯一の方法だと思います。
一人でも多くの方にここバシー海峡までお越しいただき、鎮魂のために、戦没者に感謝の誠を捧げ、永遠(とわ)なる平和を祈りたいと思います。
2022年10月吉日
バシー海峡戦没者慰霊祭実行委員会 実行委員長 渡邊 崇之
記
◆詳細はWebサイト「バシー海峡戦没者慰霊祭」をご参照ください。 http://bashi-channel.com
・スケジュール概要 日 時:令和4年11月20日(日)8時〜17時半(高雄国賓飯店出発、17時30分帰着予定) 場 所:台湾屏東縣恒春鎮猫鼻頭及び周辺地
1)「潮音寺」慰霊祭 2)鵝鑾鼻にてバシー海峡を望む 3)海岸で献花
・主催単位・共催団体・後援団体 主催単位:バシー海峡戦没者慰霊祭実行委員会 共催団体:潮音寺管理委員会、一般財団法人台湾協会 後 援:公益財団法人日本台湾交流協会高雄事務所、台湾日本人会、台北市日本工商会ほか
・参加費用 1)バス・食事つき:1500元あるいは7200円 2)バス・食事なし(現地参加):無料 3)バスなし・食事あり:500元あるいは2400円
※潮音寺内の花輪の設置(有料)と献花代行(無料)も受け付けております。詳細はHPをご覧ください。
・お問い合わせ バシー海峡戦没者慰霊祭実行委員会 台湾・台北市中山区松江路158号8楼之5 TEL:+886-02-2511-6310 E-mail:info@bashi-channel.com (事務局長 権田猛資) HP:http://bashi-channel.com
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