関係改善が狙い? 台湾が植民地時代の日本人技師を顕彰へ

【5月5日 読売新聞】
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090505-OYT1T00396.htm?from=navr

 日本植民地統治下の台湾南部・台南県に烏山頭ダムを建設した土木技師、八田与一氏
(1886〜1942年)の功績をたたえるため、馬英九総統の指示で宿舎跡地が記念公園として
整備される。

 馬総統は中国に急接近する一方、反日的な言動が問題視されたことから、対日関係の改
善に向けた姿勢をアピールする狙いもあるようだ。

 宿舎跡地はダムの近くにあり、4棟に八田氏や建設関係者が暮らしていた。現在は八田
氏と家族が暮らした家屋のほか、2棟が廃虚となって残っている。

 総統府の頼峰偉・副秘書長によると、この廃虚を取り壊して宿舎を再現し、一帯を公園
にする。遺品やゆかりの品を展示する構想もある。馬総統は2年以内の完成を指示してお
り、月内にも総統府主導で計画の概要が決まる見通しだ。

 1930年に完成した烏山頭ダムは、農業不毛地帯だった南部・嘉南平野を台湾最大の穀倉
地帯に変え、八田氏の功績は中学の教科書で紹介されている。馬総統は個人的にも八田氏
を尊敬し、総統府内の一室に「八田」の名をつける案も検討されているとされる。

 烏山頭ダムを巡っては、ダムと給排水路網を世界遺産に登録しようと、台湾の学者や地
元関係者も公園化とは別に運動を進めている。(台北・源一秀)


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