武漢発、悲劇の「謎」解明! 門田隆将氏が新著でコロナ検証 20日先行発売『疫病2020』【夕刊フジ:2020年6月22日】
世界全体ですでに44万人以上の犠牲者を出している新型コロナウイルスについて、各国で検証作業が進む。作家でジャーナリストの門田隆将氏がこの100年に1度の悲劇の「謎」を解明するノンフィクション『疫病2020』(産経新聞出版)を上梓し、話題を集めている。
新型肺炎はなぜ、中国・武漢の海鮮市場が「発生地」とされたのか、いち早く病気に気づいた2人の医師はなぜ処分を受けたのか、共産党の規律検査委員会や警察の公安部門まで摘発に動いた理由は何だったのか…など、ベールに包まれた多くの謎に応えた力作だ。
中でも、武漢の医療最前線で行われた仰天の治療法や、2月半ばから投入され、効果を発揮した「5種類の薬品」など、中国がこの病気を克服した理由が具体的に明かされている。
門田氏は「当初、さまざまな謎にぶち当たったが、つぶさに分析していくと、解明のために必要な多くの証拠が残されていた。これは中国共産党のずさんさによるものが大きかった。発生源と疑われた武漢病毒研究所の驚くべき実態にも迫った。私たちは、これらから目を背けてはならない」と語る。
中国全土から入国禁止措置をしなかった日本の政策失敗に対しても門田氏は厳しい。
「いち早く的確な対策で国民の命を救った台湾と徹底比較した。やはり日本の失敗は指摘せざるを得ない。しかし、政府には足枷となった2つの案件が大きくのしかかっていたのも事実。それにしても、日本人がまたも現場力、つまり、医療従事者たちの力と類いまれな国民の衛生観念と努力で乗り切ったのは素晴らしかったと思う」
日本は18日時点で、死者941人、感染者約1万7800人と、世界各国に比べるとケタ違いに少ないのも、ひとえに医療最前線の踏ん張りによる。
綿密な取材をもとに、「国民1人当たり10万円給付」へと逆転した背後に創価学会の“絶対権力者”が動いた事実など、報道されていない秘話が満載されている。
本書は、門田氏がその時々に発信したツイートが随所に散りばめられ、読者を「その時」にいざない、一緒に謎解きを行う新しい形のノンフィクションでもある。
「国民の命を守るという根本をないがしろにする霞が関官僚のあり方を改革しなければ、今後も国民の危機は続く」と門田氏。
同著は20日から、紀伊国屋書店の東京・新宿店と、大阪・梅田店で先行発売する。ネットでは予約受け付け中で、30日から一般発売される。
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