往路では、ロサンゼルスに立ち寄った8月13日、ロナルド・レーガン大統領図書館を訪問してレーガン元大統領の米台関係への貢献をたたえる異例の談話発表を許された。トランプ大統領も、蔡英文総統の米国立ち寄りを祝福するかのように、大統領署名がなくても自動的に成立するはずだった台湾との関係強化を盛り込んだ「2019国防権限法」に署名し、法律として成立させている。
復路でもNASAのジョンソン宇宙センターを訪問。米国の異例ともいうべき厚遇ぶりが目立った今回の外遊だった。
————————————————————————————-蔡総統、台湾を生まれ変わらせる自信示す 在米華僑との集いで【中央通信社:2018年8月19日】http://japan.cna.com.tw/news/apol/201808190002.aspx
(ヒューストン 19日 中央社)中南米の国交締結国への公式訪問を終えた蔡英文総統は現地時間18日午後、経由地の米ヒューストンに到着した。夜には台湾系華僑とのパーティーに出席し、「私は国家の操舵(そうだ)手であり、意志が固い。チームを率いて台湾を生まれ変わらせる自信もある」と改革姿勢を改めて強調。来場者に向かって、台湾のために共に努力するよう呼び掛けた。
この日のパーティーには1000人余りが出席。蔡総統が登場すると、会場は大きな拍手に包まれた。米下院のエディー・バーニス・ジョンソン議員やアル・グリーン議員らの姿もあった。
蔡総統のヒューストンへの立ち寄りは就任後2度目。蔡総統は、前回訪れた際は就任からまだ1年足らずで、改革に懸念を抱いていた人が多かったと言及。だが2年余りが経過した現在では、台湾の各経済指標は上向いているとし、改革の成果が現れているとアピールした。
中国では、蔡総統が往路の経由地、米ロサンゼルスで台湾発祥のカフェチェーン「85度C」に立ち寄ったことにより、ネットユーザーが85度Cの不買運動を呼び掛ける事態が発生。パーティーのあいさつに立った中華民国僑務委員会の顧問、宋明麗氏によれば、この騒ぎをきっかけに蔡総統への支持を示そうとパーティーへの参加を申し出る華僑が続出したいう。
蔡総統は12日から20日までの日程で南米パラグアイと中米ベリーズを歴訪。18日、ベリーズでの日程を終え、米ヒューストンに到着した。19日午前には、米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターを訪れる予定。中華民国総統による米政府機関の訪問は初となる。同日夜、台湾に向けて出発する。
(葉素萍、江今葉/編集:楊千慧)