リカ側と意見交換のため訪米した。
桃園空港には蘇秘書長なども見送りに来ており、蔡氏は空港で「民進党が政権に復帰し
た後、米国と一層の信頼関係を築き、ともにアジア太平洋地域の安定を維持できるよう、
米側と意見交換したい」と語ったと報じられている。
訪米中には、ナイズ国務副長官やキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)ら高
官と会談する予定とも伝えられている。評論家の宮崎正弘氏は、米国での会談について「こ
の意味は訪日したら外務次官が公式に会見すると同様であり、外交的に台湾を承認してい
ない米国も『英断』である」(9月13日発行「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」)と評し
ている。
宮崎氏はまた、蘇嘉全氏を副総統に指名したことを「これは因習と派閥の対立という民
進党の宿痾をいきなりぶち破った快挙ではないのか」と絶賛、「筆者は次期総統選挙、国
民党が逃げ切るだろうと、これまで判断してきたが、民進党の意表を突くフレッシュなコ
ンビによる挑戦という新段階をむかえて、予測を変更する必要を感じている」(同ニュー
ス)とも述べている。
NHKのニュースでは、桃園空港でコメントする蔡氏の後に蘇氏が控える場面も映し出
されていて、動画で見られるので、ニュースとともに紹介したい。
台湾総統選の野党候補 訪米へ
【NHK:2011年9月12日】
◆動画「台湾最大野党トップ 蔡英文主席 訪米出発」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110912/t10015544661000.html
来年1月に予定されている台湾の総統選挙の候補者で、最大野党、民進党のトップの蔡
英文主席が12日、アメリカ訪問に出発し、中国との交流を重視する姿勢を説明することで、
アメリカの理解を得たい考えです。
台湾の総統選挙は、来年1月14日に予定されており、与党の国民党が現職の馬英九総統を、
最大野党の民進党は蔡英文主席を候補者にして、選挙に向けて動きを活発化させています。
このうち、民進党の蔡主席は12日午前、台北近郊の空港からアメリカに向けて出発しました。
空港で蔡主席は、記者団に対し「われわれが政権を取って、アメリカと信頼関係を築き、
アジア太平洋地域の安定を維持できるようにしたい」と述べました。
蔡主席は、ワシントンやボストン、ロサンゼルスなどを訪れ、アメリカ政府の要人や議
員らと会談する予定で、20日に台北に戻る予定です。訪問を通して蔡主席は、独立志向の
強かった従来の民進党の政策を転換し、経済的な結び付きが強まっている中国との交流を
重視する現実路線を強調することで、アメリカ側の理解を得たい考えです。
蔡主席は、来月3日からは日本も訪れることにしており、訪米や訪日を通して総統選挙の
候補者として存在感をアピールし、選挙戦に向けた弾みをつけたいねらいとみられます。