蓮舫国籍問題─マスコミ報道に問題あり  多田 恵(「台湾の声」編集部)

下記の『日刊ゲンダイ』の記事について、あまりにも疑問に感じたので、法務省に電話し、正確
なところを確認しました。電話に対応した人も、誤解を招かないように周知すると話しました。

 正確な事実は、「一般的に、二重国籍を持つ人が日本国籍を選択した場合、もう一方の国籍の放
棄については、その国籍国の法制に従います。放棄しようとする国籍について国籍離脱の手続きを
する必要があります」というものです。

 本件について、記事中にある、「中華人民共和国の法律で規制される」、「中国へ手続きをす
る」というのは、事実ではありません。

 中国の主張を「理解し尊重」する日本の省庁は、たしかに、変な言い方をします。それももちろ
ん是正されなければならないのですが、マスコミも、誤解のないように伝える責任があるのではな
いでしょうか。

問題の報道:
「一般論として言えば、台湾国籍を持つ人が日本国籍を選択した場合、日本が国家として承認して
いる『中華人民共和国』の法制によって規律されます。日本国籍の取得と同時に中国国籍を失うこ
とになるのです。ただし自分で中国への国籍離脱の手続きを行わなければなりません」(法務省民
事局民事第1課担当者)
〔「民進党代表選前になぜ…蓮舫氏“二重国籍騒動”混迷の真相」2016年9月9日(『日刊ゲンダ
イ』デジタル)〕

                ◇    ◇    ◇

 多田氏からの投稿を読んで、日刊ゲンダイの記事を読んでみたが、記者自身が台湾は中国(中華
人民共和国)だと思っている節がある。「中国籍(台湾籍)」という表現や、多田氏が指摘してい
る「日本が国家として承認している『中華人民共和国』の法制によって規律」という記述があるか
らだ。

 「中国」と言えば「中華人民共和国」のことを指すと思っている人々が圧倒的な現在、日刊ゲン
ダイの記者のような「笑えない勘違い」も起こるのだろう。

 また、記事では「日本が国家として承認している『中華人民共和国』」としているが、日本は明
治初期、清国以降を「中国」として国家承認し、清国、中華民国、中華人民共和国と変わってきた
中国の政府を「政府承認」してきた。中華人民共和国は政府承認であって国家承認ではない。

 蓮舫議員の「二重国籍」疑惑問題で、日本における台湾出身者の戸籍の取扱いにスポットが当た
り、問題点があぶり出されることは快事と言ってよい。台湾出身者が「中国人」とされている現状
が正されることを切に望みたい。

◆民進党代表選前になぜ…蓮舫氏“二重国籍騒動”混迷の真相[日刊ゲンダイ:9月9日]
 http://news.infoseek.co.jp/article/gendainet_345801/


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