米国のマッカーシー下院議長が今春の台湾訪問を計画

 15回の投票で1月7日に下院議長に就任した米国のケビン・オーウェン・マッカーシー議長(共和党)が今春にも台湾訪問を計画しているという。下院議長は大統領権限の継承順位が副大統領に次ぐ2位の要職で、実現すれば、昨年8月、25年ぶりに下院議長のナンシー・ペロシ氏に続き2年連続となる。

 今年も、台湾には年明け早々から各国要人の訪問が相次いでいる。1月20日の春節休暇を前に、デンマーク、ツバル、パラグアイ、ドイツ、リトアニア、スペイン、米国、日本の8ヵ国から訪台している。

 1月3日に元デンマーク首相で、2009年から2014年までNATO事務総長をつとめたアナス・フォー・ラスムセン氏、8日にはツバルの国会議長一行およびパラグアイの下院議長一行、翌9日にはドイツ連邦議会国防委員長一行およびリトアニア議会の国家安全・国防委員会委員長一行、10日からはスペインの下院保健委員会委員長一行、そして米国からシンクタンク「プロジェクト2049研究所」のランドール・シュライバー理事長一行が訪問している。

 15日には日本からも立憲民主党青年局長の青山大人・衆議院議員ら5人が訪台し、その後、自民党の長坂康正・衆議院議員一行も訪台し、19日に游錫●・立法院長と面談している。(●=方方の下に土)

 この間、米国からは米国のトッド・ヤング上院議員一行も訪台し、17日に蔡英文総統と面会するなど、訪台ラッシュが続いていた。

 新型コロナウイルスの感染状況も収まりつつあることもあり、各国からの訪台は今後も続くことが予想される。

 1月11日に行われた「日米安全保障協議委員会(2+2)」では、中国を名指しし、その外交政策を「同盟及び国際社会全体にとっての深刻な懸念であり、インド太平洋地域及び国際社会全体における最大の戦略的挑戦」と位置づけ「国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を改めて表明した。閣僚は両岸問題の平和的解決を促した」とする共同発表を行い、続く13日の日米首脳会談の共同声明でもほぼ同様の認識を示した上で「台湾に関する両国の基本的立場に変化はないことを強調」していた。

 米国からバイデン政権も後押しする下院議長の訪台となれば、中国への強力な抑止効果が期待されるところであり、世界への影響力は大きい。

—————————————————————————————–新下院議長も訪台計画か=米報道、中国けん制で【時事通信:2023年1月24日】https://www.jiji.com/jc/article?k=2023012400130&g=int

 【ワシントン時事】米政治ニュースサイト「パンチボールニュース」は23日、今月就任したマッカーシー米下院議長が台湾訪問を計画していると報じた。

 実現すれば昨年8月のペロシ前下院議長に続き、2年連続の下院議長訪台となる。台湾への武力侵攻をちらつかせている中国をけん制するのが狙いとみられる。

 報道によると、マッカーシー氏は今春にも訪台する予定で米国防総省が計画を練っているが、まだ初期段階にある。バイデン政権は昨年のペロシ氏訪台には慎重だったが、今回はより積極的だという。 

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