官や国防関係幹部職員との交流を盛り込んだ「2017国防授権法案」(NDAA: National
Defense Authorization Act)という画期的な法案が成立した。
国防授権法は国防権限法とも称され、米国の国防プログラムの承認と予算上限額を定めるもっと
も重要な法律の一つで、毎年成立しているが、12月2日に米国連邦議会の下院で可決し、8日に上院
で可決、大統領署名によって成立した2017年度国防授権法は、台湾にとってはとても重要な米国国
内法だ。
2017年度国防授権法は台湾との軍事関係改善や防衛協力強化を目的としており、今回初めて明文
化され、これによって米台の高級軍人と次官補クラスの文官は公然と交流できるようになった。
産経新聞の伝えるところによると、米国は早速、この国防授権法授権法に基づき「台湾の国防部
(国防省に相当)が行う今年度の年次演習『漢光33号』の図上演習に米太平洋軍が現役の将官を派
遣する」という。
ちなみに、昨年8月25日に屏東県恒春で行われた年次演習「漢光32号」は、中国軍の侵攻を想定
して行われ、蔡英文総統が就任後初めて視察、その訓示で「軍改革の基本方針を来年1月までに取
りまとめる意向を表明。『新たな思想を発揮して新たな軍を作ろう』と呼びかけた」(2016年8月
25日付「産経新聞」)と報じられている。
蔡英文総統は台湾軍の視察に熱心で、また国産の潜水艦建造や国産戦闘機の開発計画を進め、国
防産業の発展に力を注いでいる。
米軍が台湾の演習に現役将官派遣へ 断交以来で初、軍事交流を格上げ
【産経新聞:2017年3月5日】
【台北=田中靖人】台湾の国防部(国防省に相当)が行う今年度の年次演習「漢光33号」の図上
演習に米太平洋軍が現役の将官を派遣することが4日、分かった。台湾の軍事関係筋が明らかにし
た。1979年の米台断交以降、現役の将官が演習を視察するのは初めて。米台の軍事交流を格上げし
た形だ。
米国はオバマ政権下の昨年12月に成立した2017年度の国防権限法で、台湾との現役の高官による
交流を初めて規定している。今回の派遣は台湾のネットメディア「上報」が1日付で報じていた。
上報によると、台湾軍は03年に米国から図上演習システムを導入。米軍は翌年から顧問団として
現役の佐官は派遣していたが、団長は退役の将官だった。今回の派遣でも、顧問団は慣例に従って
制服は着用しないものの、最高指揮所となる「衡山指揮所」で演習を視察するという。