18日に立法院議場を占拠し、公務執行妨害などの罪に問われた台湾大学大学院生だった林飛帆氏や
清華大学大学院生だった陳為廷氏、中央研究院法律学研究所研究員だった黄國昌氏(現在、立法委
員)など元学生リーダーたち22人に対し、台北地方裁判所は3月31日、無罪判決を言い渡した。
この「太陽花学運(ひまわり学生運動)」の意義については、李登輝元総統も高く評価し、自ら
も立法院議場に駆けつけようとしたほど。
判決を受け、総統府もこのひまわり学生運動について「台湾の民主をいっそう深めたマイルス
トーン(一里塚)」と評価したそうで、台湾国際放送が伝えている。下記に紹介したい。
一方、元学生リーダーたちは、政権与党が一日も早く「台湾海峡両岸協定監督条例」を成立させ
るよう要求したという。
ちなみに、林飛帆氏は台北地裁の判決についてフェイスブックで、弁護士などに感謝の言葉を述
べるとともに、行政院突入事件(132人)や台北市政府警察局襲撃事件(4人)の判決も無罪となる
よう望むと記している。また、民進党の元職員で人権問題活動家の李明哲氏がスパイ容疑で中国で
拘束されていることにも言及し、台湾政府に積極的な救援活動を要望した。行政院侵入事件に関す
る判決は4月10日に言い渡される予定だ。
◆林飛帆氏フェイスブック[3月31日:追求民主,永不懈怠】
https://www.facebook.com/linfeifan.tw?lst=100005032410573%3A1501674746%3A1491008964
総統府:ひまわり運動は民主の一里塚
【台湾国際放送:2017年3月31日】
http://japanese.rti.org.tw/news/?recordId=65610
写真:林飛帆氏(前列左2)、黄国昌氏(同3)、陳為廷氏(同5)
総統府が、「ひまわり学生運動」は台湾の民主を深めたマイルストーンだと評価した。「ひまわ
り学生運動」は2014年3月に立法院の議場を学生たちが中心となって占拠した事件で、中心人物
だった林飛帆氏、陳為廷氏、そして現在では野党・時代力量の代表を務める黄国昌・立法委員ら22
人が公務執行妨害などで起訴されていたが、台北地方裁判所は31日、いずれも無罪の判決を言い渡
した。
総統府の林鶴明・報道官は判決を尊重するとした上で、「ひまわり学生運動は台湾の民主をいっ
そう深めたマイルストーンであるのみならず、公民社会の全面的な台頭と実践であり、この新たな
民主の波は自由民主と公平正義の価値観を公共の行政に根付かせた。そしてさらに、国民の福祉の
全面的な向上をもたらした」と述べて評価した。
台北地方検察署は2015年2月に捜査を終了、台湾海峡両岸サービス貿易協定をめぐる抗争事件か
ら生まれた3つの事件について、立法院の占拠で22人、行政院突入で132人、台北市政府警察局襲撃
で4人を起訴したが、林全・行政院長は昨年5月20日、新政権発足後ただちに被告126人に対する親
告罪の刑事告訴の部分は取り下げた。