福島県など5県産品の輸入解禁は来年以降にずれ込む見通し

 共同通信が伝えるところによりますと、酒類を除く5県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)産食品は、2011年の東日本大震災による福島原発事故発生以降、台湾では輸入停止措置が講じられています。

 2018年11月24日には、中国国民党が提案した「日本の福島県をはじめとする東日本大震災の放射能汚染地域、つまり福島県及びその周辺4県 (茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)からの農産品や食品の輸入禁止を続けることに同意するか否か」の公民投票において、賛成:779万1,856票、反対:223万1,425票の圧倒的な賛成で、2年間はこの措置を解除できないことが決まりました。

 しかし、台湾政府自身が大学に委託したサンプル調査でも放射能の影響はないという結果がすでに出ています。台湾でも日本でも著名な原子力関係の工学博士で、秋の叙勲で旭日中綬章を受章された謝牧謙氏は、専門家の見解として「解禁されるべき」とする立場で「3・11 事故から9年が経った今も、福島県産の食品への風評被害や、放射線にまつわる誤った情報が次々とマスコミ、SNS 上で拡散、人々を脅かしている」と指摘していることは本誌11月4日号でお伝えしたとおりです。

 蔡英文政権はすでに8月28日、ラクトパミン入りの飼料で育てたということで物議を醸している米国産の豚肉の輸入を来年1月1日に解禁すると発表しています。しかし、放射能の影響がないと判明している福島県などの5県産品の輸入解禁がなぜ来年にまでずれ込むのか不可解です。日台関係に影を落としているこの輸入問題の早期解決を待ち望んでいます。

—————————————————————————————–台湾、日本産禁輸撤廃は来年以降 24日に期限控え【共同通信:2020年11月15日】

【台北共同】台湾が2011年の東京電力福島第1原発事故以降続けている福島県などの日本産食品の輸入禁止措置は、18年の住民投票で成立した禁輸継続の期限を24日に迎える。しかし台湾政府関係者は「蔡英文政権は抱えている課題が多い」と指摘。禁輸措置撤廃は来年以降にずれ込む見通しだ。

 住民投票は18年11月24日に行われ、食品禁輸継続が賛成多数となり成立。原則的に2年間は投票結果と異なる政策を実施できなくなっていた。

 蔡政権は今年8月28日、米国産豚肉の輸入を来年1月1日に解禁すると発表した。米国との自由貿易協定(FTA)など経済協定の締結をにらんだ措置だ。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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