て20日目を迎えた昨4月6日、王金平・立法院長が立法院を訪れて学生たちと直接対話を果たした。
王院長は「午前11時過ぎに立法院を訪れ、敷地内で談話を発表。……両岸取り決め監督制度の立
法まではサービス貿易に関する話し合いや関連会議などを行わないと述べ、学生らに対して議場か
らの退去を呼びかけた」(中央通信社)という。
学生たちは馬英九総統との直接対話を要求していたが、馬氏は当初、対話に応ずる様子はなく、
逆に学生たちの議場占拠を非難していた。しかし、学生たちを支持する民意に押され、3月25日に
なって、前提条件を設けずに学生の代表を総統府に招き対話する考えを示したものの、サービス貿
易協定の早期成立を主張、これに学生たちが反発して対話は成立していなかった。
ところが、立法院に警察官導入の権限を持つ王院長が立法院まで出向いて学生たちと対話するこ
とになり、しかも、事前監督制度の法制化を急ぎ、それまでは今回の協定の承認手続きを進めない
との方針を示したのだから、馬氏のメンツは丸潰れだ。
王院長から、立法院を訪れることも声明を発表することも知らされなかった国民党の幹部は苦虫
をかみつぶしたような顔で「非常に驚いている」とコメントしている。
NHKニュースが動画とともに配信しているので下記に紹介したい。
学生たちは王院長のコメントと立法院訪問して「皆さんの声は私たちに届いています。引き続き
努力します」と語りかけたことを評価している。学生たちは、王院長の決断が実行されるかを見越
したうえで最終的な判断を下すものと思われる。
台湾 立法院長が議会占拠の学生と対面
【NHKニュース:2014年4月6日】
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140406/k10013540591000.html
台湾で、中国との間で結ばれた経済協定の撤回を求める学生たちが議会の占拠を続けるなか、議
長に当たる立法院長が初めて学生たちと対面して学生の要求に歩み寄る姿勢を見せ、こう着状態の
打開につながるか注目されます。
台湾では、去年6月に中国と結ばれたサービス分野の自由化協定の撤回を求める学生たちが議会
を占拠し、協定の承認を巡る審議ができなくなるなどの混乱が続いています。
議会の占拠から20日目となる6日、議長に当たる王金平立法院長が初めて議場を訪れて学生たち
と対面し、速やかに占拠をやめるよう呼びかけました。
一方で王立法院長は、議場に入る前に声明を発表し、中国と新たに協定を結ぶ際には内容を議会
などで事前にチェックする制度の法制化を急ぐとともに、それまでは今回の協定の承認手続きを進
めない方針を示して、学生たちの要求に一部応じる姿勢を見せました。
これに対して、学生の代表は「第一歩となる成果を得た」と述べましたが、中国との協定を事前
にチェックする制度について政権側が示している法案より厳しいルールを設けるよう求めています。
学生側は議会の占拠をやめるかどうかは今後の進展を見て決めるとしており、今回、議会のトッ
プが歩み寄りの姿勢を見せたことで、こう着状態の打開につながるのか注目されます。