台湾の謝長廷氏 母校の京大で講演
【12月17日 MSN産経ニュース】
■http://sankei.jp.msn.com/world/china/071216/chn0712162005002-n1.htm
来日した台湾の与党・民主進歩党(民進党)の総統候補、謝長廷元行政院長(首相)
は16日、母校の京都大学で講演し、日本留学で受けた自身への影響について「民主主義
には犠牲が必要であり、自由は天から与えられるものではないことを学んだ」と述べた。
1972年から約5年間、京大大学院法学研究科で学んだ謝氏は、「日台関係強化への道」
をテーマに日本語で講演。反安保闘争の渦中にあった当時の思い出を交え、自身が掲げ
る改革論「台湾維新」の源流は、明治維新の舞台となった京都にあると力説した。
謝氏はまた、「日本と台湾の間には歴史的、感情的な深いきずながある」と語り、日
台関係の重要性を強調。来年3月の次期総統選で当選すれば、中台間の対話再開と安定
化を目指す一方、「日本と台湾がアジアと世界で最も進歩的な改革勢力となる」と述べ、
連携強化の重要性を訴えた。
謝氏は今回、留学中に結婚した游芳枝夫人とともに来日。学生時代を過ごした宿舎「暁
学荘」を訪ねて当時の管理人家族と再会。2人の新婚生活が始まった京都の町を歩き、
恩師、田中成明京大教授宅を訪れた。
講演会場には、謝氏が「ボス」と呼ぶ京都外国語大の黄書璋名誉教授も駆けつけ、留
学当時、黄氏が京都市内で経営していた中華料理店「蓬来」で、アルバイトのリーダー
格だった謝氏のエピソードを披露した。黄氏は台湾独立派の活動拠点ともなった同店の
後継者として育てようとしたが、謝氏は「台湾に帰って台湾人のために尽くす」と話し、
申し出を固辞したという。
台湾:民進党の謝氏、京都大で講演 日台関係の強化を
【12月17日 毎日新聞】
■http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20071217k0000m030072000c.html
来年3月の台湾総統選を前に与党・民進党の候補、謝長廷・元行政院長(61)が16日
来日し、留学経験のある京都大(京都市)で講演した。最大野党・国民党候補の馬英九
・前主席(57)も先月に訪日したばかり。謝氏は約40分の講演をすべて日本語で行うな
ど知日派ぶりをアピールしながら、日台関係の強化を呼びかけた。
謝氏は日本に対し、総統・副総統クラスが日本に通過滞在できるよう、米国の「台湾
関係法」に類する法律の制定を求めた。また、「京都議定書に台湾が署名・参加できる
道を開いていただきたい。温室効果ガスの削減に台湾も積極的に取り組みたい」と述べ
た。
中台関係では「台湾は独立した主権国家」とした上で、「虎に出合い、羊が寛容や共
存を持ち出しても意味がない」と指摘。大国である中国が台湾の独自性や主体性を尊重
することを前提に対話に応じる考えを示した。
民進党との関係がぎくしゃくしている李登輝・前総統について「唯一の京大出身の大
統領(総統)経験者」と持ち上げ、「もちろん私が当選すれば……」と語ると、会場を
埋めた台湾出身の京大OBらから盛んな拍手が起きた。【成沢健一】
対日重視日本語で訴え 台湾総統候補 謝長廷氏が来日
【12月17日 西日本新聞】
■http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20071217/20071217_001.shtml
台湾の与党、民主進歩党(民進党)の総統選候補、謝長廷・元行政院長(首相)(61)
は16日、来日し、かつて留学した京都大学で「日台関係強化への道‐若者には何ができ
るのか」と題した日本語の講演を行い、同党指導部きっての知日派として、対日重視の
姿勢を強調した。
対中国政策では「あくまで台湾の独自性を守る前提で、中国と平和的な対話を進めた
い」と述べ、党の台湾自立化路線を堅持しながら「和解と共生」という持論を実現する
方針を示した。
1972年から約5年間、京大大学院(法学研究科)で学んだ謝氏は、当時一般的だった
米国でなく日本を留学先に選んだ理由を「日本統治時代に教育を受け、日本に敬意と愛
着を感じていた父や年配の方々の影響」と説明。留学中に知った明治維新をヒントに「台
湾維新」という改革論を現在提唱していると語った。
日台関係強化の具体的な道筋としては(1)日本も米国のような台湾関係法を制定
(2)非政府組織(NGO)を通じ、環境、人権問題などで協力(3)情報通信・経済
面の交流‐の3つを挙げた。
また、2000年に民進党が政権を取った後、住民の「台湾人意識」は格段に強まったと
し、理由として「台湾の民主主義の進展」と「ミサイルで威嚇する中国への反感」を列
挙。「わたしが当選したら、中国も台湾の民意を理解せざるを得ず、対話のきっかけと
なる」と主張した。 (共同)