台湾の日本語世代は、日本の統治時代について「何を見、感じ、考え、体験したか。先人たちからどのようなことを聞き、子や孫たちにどのように語り聞かせてきたのか」──戦前、花蓮県瑞穂に生まれ育った「湾生」の松本洽盛(まつもと・こうせい)氏にはとても気になっていたことで、このほど85歳から101歳まで22人の「最後の日本語世代」に話を聞いてまとめたのが本書です。
日本の教科書などでは、皇民化教育で台湾の人々は神社を強制参拝させられ、改姓名も強制されたというような記述を見かけますが、果たして台湾の日本語世代の人々はどのように見、感じていたのでしょうか。
編著者の松本氏は映画「湾生回家」(2015年公開)に出演し、当時の体験や“故郷”台湾に寄せる熱い想いを語っていますが、本書は、この松本氏の司会による日本語世代4人の座談会と、18人の個人的体験を聞き書きした2部構成で、それら一つひとつの証言が台湾の日本統治時代の“真実”を浮き彫りにする得難い内容です。
*8月31日の「第48回台湾セミナー」は松本洽盛氏を講師に迎え、本書をテーマに開催します。 近々、開催要項を本誌でお知らせします。
令和元年(2019年)7月吉日
日本李登輝友の会
記
【明日香出版社 発行:2019年7月 定価:1,296円(税込) 四六判・並製・272頁】
◆頒 価:会員:1,100円(税込) 一般:1,200円(税込)
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