李登輝元総統などをお招きして「土地と政治学術シンポジウム」を開催した。
その模様を、本会台北事務所の早川友久所長が早速「台北事務所ブログ」でたくさんの
写真とともにレポートしているのでご紹介したい。
李元総統は少し風邪気味だったというが、いつも通りパワフルな講演だったそうだ。
李登輝民主協会主催「土地と政治学術シンポジウム」
【台北事務所ブログ:平成24(2012)年12月22日】
http://twoffice.exblog.jp/19709757/
本日午前9時から、国立台湾大学社会科学院キャンパスの国際会議場で、李登輝民主協会
主催の「土地と政治学術シンポジウム」(李登輝基金会、台湾教授協会協賛)が開かれま
した。
徐州路にあるこのキャンパスには、2年前まで法律学院も入っていましたが、現在では公
館のメインキャンパスに移転したため久しぶりの訪問。日本時代、台北高等商業学校の校
舎として作られた赤レンガの趣あるキャンパスです。残る社会科学院も来年夏ごろにはメ
インキャンパスへ移転するということですが、台北市の古蹟に指定されているため、新た
な役割を与えられることになっているそうです。
朝早いシンポジウムにもかかわらず、李登輝元総統も登場して開幕の挨拶+講演。少し
風邪を召されているようにお見受けしましたが、予定時間を大幅に超える50分の講演をパ
ワフルに終えられました。
李登輝元総統は講演のなかで、現在の政府は若者の失業問題や給与水準の低下といっ
た、社会の本質的な問題を解決できずにいると批判。経済政策を過度に中国に依存してい
るため、台湾経済の空洞化を引き起こしていると指摘しました。
また、土地問題に関し、近年政府が進めている土地収用の際、政府と国民が対立する場
面が多いのは、政府による説明不足が原因とし、さらにコミュニケーションを図るべき、
としました。
さらに、台湾の農業の発展、農村の建設、農民の生活は、台湾省政府主席や総統在任中
から特に関心を払ってきた問題であり、農業政策を考える際、常に農民の福祉を優先させ
てきた、と述べました。
また、農業こそが立国の基礎であり、台湾の農業問題はこれまでずっと土地問題ととも
に存在してきたもの。現在の政府に対し、土地政策をいかに進めれば農業における労働生
産力を高められるかについて真摯に考えるべき、と要求しました。
シンポジウムでは、張粲[洪の下に金]・常務理事や張炎憲・台湾教授協会会長、李安[女
尼]・台湾綜合研究院副院長らが登壇、土地収用制作や高砂族の土地問題に関する活発な議
論が午後5時まで交わされました。