李登輝学校参加者と産経新聞台北支局長のコンビニで体験した台湾と中国の違い

林建良氏著『日本よ、こんな中国とつきあえるか?』で徹底分析

 本誌では「第5回台湾李登輝学校研修団の参加者の感想文を掲載していますが、9月25日
の第368号(第5回目)に大阪から参加した江川永(えがわ ひさし)氏の感想を掲載しま
した。
 江川氏は、「研修先の渇望学習センター内にあったセブンイレブンで起きた出来事」を
通じて、「台湾は中国の一部」だと思って中国へ留学したときの体験で知った中国人の体
質と台湾人の体質の明らかな違いを感じ、次のようにつづっていました。

<その出来事というのは、研修に参加されたある人(日光の女性)が日本宛にはがきを送
りたいと言って、「ここから送れますか?」と聞いたところ、レジのにいちゃんが店の外
にその女性を連れ出し「明日あそこに行けば送れます」と、片言の英語で説明していたこ
とです。
 中国ではこうはいきません。昨年、上海・浦東空港に降りたときのことです。案内所で
杭州行きのバス乗り場を聞いたのですが「あっち」と言うだけで、服務員はおしゃべりに
夢中、私は重い鞄を持って右往左往。
 このコンビニ店員の行動を見て「あぁ、台湾だなぁ。漢字だらけの商品が並んでいるけ
ど中国じゃない。台湾だなぁ」としみじみ感じました。>

 江川氏が「台湾の人は中国人とは何か違うみたいだ。台湾は中国とは同じではない」と
感じるきっかけになったのは、中国留学時代にタクシーに関するトラブルをたくさん経験
し、台湾では日本と同じようにタクシーが目的地にすんなり到着するのを経験して以来だ
ったそうですが、「中国にいるとだまされる方が当たり前のような感覚になってしまって
いた」そうです。

 この江川氏の体験談は、台湾と中国は「一つの中国」だと思い込んでいる人が少なくな
い日本にとって、わかりやすく、とても重要な指摘かと思います。

 そういえば、産経新聞が断続的に連載している特派員コラムに台北支局長の「台湾有情」
があり、先月はじめに掲載された「対不起」と題したこのコラムで、ひげが特徴の長谷川
周人支局長が江川氏と同じようなコンビニでの体験談をつづっていました。
 中国特派員も経験している長谷川支局長はこの体験談を、台湾と中国の違いは文化と風
土に現れているのではないかとして「台湾海峡の間には深い文化・風土の溝がありそうだ」
と結んでいました。

 下記にそのコラムを紹介しますが、すでに林建良氏(本会常務理事・世界台湾同郷会副
会長)が今年7月初旬に著した『日本よ、こんな中国とつきあえるか?』(並木書房)の
中で、台湾人と中国人の違いを徹底的に分析しています。
 臓器売買に国を挙げて取り組む共産党独裁の中国と、民主化を進める台湾とは、まった
く違う民族であることがよく分かります。蒋介石・蒋経国という中国人政治家の独裁下で
辛酸を味わった台湾出身者の林建良氏なればこその本です。ぜひご一読をお勧めします。
                                    (編集部)

■並木書房HP http://www.namiki-shobo.co.jp/


【9月8日付 産経新聞 長谷川周人・支局長「台湾有情−対不起」】

 「対不起(ごめんなさい)」−。中国語会話集には必ず載っている1句だが、中国大陸
で実際に耳にする機会は少ない。「文化大革命時に『自己批判』を強要された反動から、
自らは謝らない習慣が身に染みている」。こんな中国人の解説に妙に納得した記憶もある。
 だが、台湾に来て拍子抜けした。至る所で「対不起」と謝られる。先日も、支局近くの
コンビニで青年店員に「対不起」「不好意思(すみません)」「抱歉(申し訳ありませ
ん)」と、“3大謝罪文句”を畳みかけられたうえ、ペコリと頭を下げられた。彼に特別
の落ち度はなく、ただ、先客がいてレジ打ちにほんの少し手間取っただけである。丁重過
ぎる態度には逆に恐縮した。
 むろん、路上で人にぶつかっても謝らず素通りする人もいる。しかし概して台湾人は日
本人と同様、頻繁に「対不起」を口にするのではないか。
 もっとも、「すみません」という日本語に、責められる前に先手を打つという意図が込
められることが多いとすれば、台湾の「対不起」にもこれに似た軽いニュアンスがあるか
もしれない。とはいえ、ちょっとした言葉が社会の潤滑油になり、人間関係が円滑に進む
のなら謝るのも悪くない。200キロに満たない台湾海峡の間には深い文化・風土の溝があり
そうだ。 (長谷川周人)


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