李登輝元総統を偲ぶ記念音楽会に蔡英文総統ら1,800人が参集

 昨年7月30日に満97歳で亡くなられた李登輝元総統を偲び、次女の李安[女尼]さんを董事長(理事長に相当)とする「財団法人李登輝基金会」は11月15日、台湾のナショナルコンサートホールである国家音楽庁(台北市中正区中山南路)において「誠實自然:2021年李登輝記念音楽会」を開催しました。

 会場には1,800人が参集し、蔡英文総統をはじめ王金平・立法院元院長、李永得・文化部部長、李俊[イ邑]・総統府副秘書長、泉裕泰・日本台湾交流協会台北事務所代表と正子夫人、民進党の柯建銘・立法委員なども見え、李安[女尼]理事長や夫の頼国洲氏、姉の李安娜さんなどが出迎えたそうです。

 参加者は李元総統の生涯を振り返る呉念真氏の語りと、10のテーマに沿う、李元総統の母校である旧制淡水中学校(現在の私立淡江高級中学)の卒業生を中心に構成する「八角塔男声合唱団」による「歓喜の歌」「赤とんぼ」「月夜愁」「農家楽」「千の風になって」などの歌声に聴き入りながら、「台湾民主化の父」の足跡を偲んだそうです。

 台湾外交部の「Taiwan Today」誌が伝えていますので、下記にご紹介します。

—————————————————————————————–蔡英文総統、李登輝元総統を偲ぶ音楽会に出席【Taiwan Today:2021年11月16日】https://jp.taiwantoday.tw/news.php?post=210731&unit=151&utm_source=

 蔡英文総統は15日夜、国家音楽庁(台湾北部・台北市。ナショナルコンサートホール)で開かれた「誠実自然:2021年李登輝紀念音楽会」に出席した。「誠実自然」とは、2020年に亡くなった李登輝元総統が座右の銘としていた言葉。李氏は生前、誠実で正直、自然であることが指導者の条件であるという意味で、好んでこの言葉を使っていた。

 この音楽会は財団法人李登輝基金会が主催した。その生涯を台湾の民主主義に捧げた李氏を偲ぶとともに、その無私の精神が長く台湾に残ることを願うために行った。音楽会の内容は、昨年の追悼告別ミサでの献詩や、淡江中学の校友を中心とする「八角塔男声合唱団」の演出が中心で、台湾の著名な映画監督である呉念真氏がナビゲーターを務めた。李氏が生前愛した楽曲と「八角塔男声合唱団」の歌声、それに聞く人の心に染み入る呉監督の声を通して、李氏の偉大な人生を振り返った。

 プログラムは、李氏が生まれた日本統治時代、学生時代、恋愛と結婚、家庭生活、農業政策の研究、戦後の台湾、民主主義への貢献、宗教と信仰、荘厳な国葬、李氏が愛した歌の10のテーマに沿って、「八角塔男声合唱団」が「赤とんぼ」、「月夜愁」、「農家楽」、「千の風になって」などの曲目を歌った。このほか、台湾の民主主義の発展に尽くし、今月11日に病死した台北駐タイ経済文化代表処の李応元前代表(駐タイ大使に相当)に対し、「黄昏的故郷」の一曲が捧げられるシーンもあった。

 この音楽会には蔡英文総統のほか、財団法人李登輝基金会の李安?董事長(李登輝氏の次女)と夫の頼国洲氏、日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表(日本の駐台大使に相当)と同令夫人、総統府の李俊?副秘書長、文化部(日本の文科省に類似)の李永得部長(大臣)、民進党立法院党団総召の柯建銘氏、立法院(国会)の王金平元院長(国会議長)らが出席した。

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